特集 令和初、2020年度予算概算要求
厚労省概算要求、前年度比2.1%増の32兆6,234億円と過去最大
2019-10-08
一般会計予算の概算要求総額が104兆円台後半から105兆円に達する見通しだ。厚生労働省は、団塊ジュニア世代が高齢者となり現役世代の減少が進む2040年頃を見据え、人生100年時代に対応した全世代型社会保障の構築に取り組む。それら項目から、厚労行政の方向性が垣間見える。


概算要求総額は過去最大に

国の2020年度一般会計予算の概算要求総額が104兆円台後半から105兆円に達する見通しであることが8月28日分かった。

少子高齢化に伴う医療・年金や子育てなど社会保障費の増加に加えて、国債の元利払いに充てる国債費が膨らみ、過去最大だった2019年度の102兆7,658億円を上回ることは確実だ。

各省庁からの要求総額が100兆円を突破するのは6年連続。年金などの社会保障費は、2019年度予算(32兆5,000億円)に、高齢化に伴う自然増5,300億円を加えた額が基準。

財務省の要求では、国債費を2019年度要求額から3,872億円上乗せし、24兆9,746億円とする方針だ。各省庁の概算要求は8月末に締め切られ、秋から年末にかけて予算編成作業が本格化する。

10月の消費税増税に伴う景気対策は、2019年度と同様に概算要求とは別に特別枠扱いとするなど、歳出の膨張は避けられず、2020年度当初予算は2年続けて100兆円を超える公算が大きい。


厚労省、過去最大32.6兆円

厚生労働省の2020年度予算概算要求は、高齢化に伴う年金・医療費の増加などで、前年度比2.1%増の32兆6,234億円と過去最大の要求額となった。政府の重点課題である就職氷河期世代への就労支援には653億円を計上した。


要求額の内訳は、年金制度の運営12兆1,260億円、医療保険制度における国庫負担11兆8,599億円、介護3兆3,342億円、生活保護の国庫負担2兆8,471億円など。消費税率引き上げに伴う社会保障4分野(年金、医療、介護、少子化対策)の充実については、予算編成過程で具体的な検討を進めていく。


8050問題への取り組み

氷河期世代への支援では、民間事業者のノウハウを生かし、不安定な就労状態にある人を安定就職につなげるための教育訓練などを実施。

就学や就労をしていない無業状態の若者らを支援する「地域若者サポートステーション」の対象年齢を50歳まで拡大し、相談体制を手厚くする。また、自治体の自立相談支援機関には、就労が難しい人の自宅などに出向いて相談に応じる「アウトリーチ支援員」を新たに配置する。

引きこもりの長期化に伴い、中高年の子を養う親が高齢化して困窮する「8050問題」などへの取り組みでは、複合化した福祉課題に自治体がワンストップで対応する「断らない相談支援」に向けて包括的支援体制の整備を推進。2019年度の倍額となる58億円を計上した。

労働分野では、賃金の引き上げのため、生産性向上に取り組む中小企業の支援に1,449億円を盛り込んだ。


税制上の優遇措置の創設を求む

あわせて厚生労働省は27日、2020年度税制改正要望の概要を公表した。

2018年の医療法などの改正により、医師少数区域などで一定期間勤務した医師を厚労相が認定する制度導入に伴い、認定取得後の医師が勤務または管理する医療機関を対象に、税制上の優遇措置の新設を求めた。

また地域医療構想実現に向け、地域の医療機関間で再編統合により資産の取得について、税の減免を要望。さらには地域医療の確保の観点から、医師少数区域にある持分あり医療法人については、医療継続にかかる特例措置(相続税、贈与税の猶予など)の期間延長などの措置を求めている。

(医療タイムス)

 

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