【Report】[診療報酬] 患者の疾病構造を意識
年代別に課題を整理
2019-07-10
厚生労働省保険局医療課課長補佐の木下栄作氏は6月27日、日本慢性期医療協会第44回通常総会で講演。2020年度診療報酬改定に向けた現段階の検討状況と議論の方向性を報告した。

医療全体にかかわる議論を実施

前回の2018年度診療報酬改定のスケジュールは、2017年1月以降、中医協の場で、入院医療、外来医療、在宅医療の在り方について議論。前々回2016年度改定の検証結果も含めて個別項目について集中的に議論された。

木下氏によれば2020年度の診療報酬改定に向けた検討では内容を変え、2019年春から夏までの間、診療報酬の項目にとらわれないで、全体にかかわる議論を進めているという。具体的には、①患者の疾病構造や受療行動などを意識しつつ、年代別に課題を整理②昨今の医療と関連性の高いテーマについて課題を整理―の2点を基本としている。

その上で、秋からの議論では、従来の外来・入院・在宅・歯科・調剤などの個別テーマに分けて、これまでの報酬改定での検討事項、18年度改定にかかる答申書附帯意見、ほかの審議会などの議論を踏まえた、具体的な診療報酬における評価に向けた検討が進められることとなる。

年代別の課題の整理

2020年度改定に向けた議論では、上記①にかかわる年代別の課題の整理が行われた。

例えば、妊娠から出産、新生児、乳幼児にかかる「周産期・乳幼児期」では、高齢出産に伴う「偶発合併症を有する妊婦の診療体制」をはじめ、「ハイリスク妊婦の診療体制」「新生児やNICUを退院した児に対する診療体制」などが検討された。

その他、「学童期・思春期」「青年期・壮年期・中年期」「高齢期」、さらには「人生の最終段階」の年代に分け、課題を整理したという。

「青年期・壮年期・中年期」では、「仕事との両立のための産業保健との連携」が課題とされた。木下氏によれは、これまでも働く人の支援は診療報酬で行われてきたが、ほとんど算定されていないのが現実だという。
議論における主なテーマ①

三位一体の医療制度改革も検討

一方、この7月からは昨今の医療と関連性の高いテーマの検討が開始される。「かかりつけ医機能とかかりつけ薬剤師・薬局機能の連携」「紹介状なしの大病院受診時の定額負担」など、「患者・国民に身近な医療の在り方」がテーマとなる。

また、医政局を中心に「医師などの働き方の見直しを踏まえた対応」を議論。そこから「業務の効率化の観点を踏まえた医師・看護師などの外来などの配置基準の在り方」などの議論が進められる。

7月以降の議論の1つとして、「地域医療構想の達成に向けた取り組み」に代表される「今後の地域づくり・街づくりにおける医療の在り方」が挙げられている。また前回改定で加算された「オンライン診療」をさらに幅広く活用するため、「新たなエビデンスやICT技術を踏まえた医療の在り方」などもテーマになっているという。
議論における主なテーマ②

さらに木下氏は、現在医政局を中心に、地域医療構想・医師偏在対策・医師などの働き方改革を三位一体とした医療制度改革の検討が進んでいると強調。都市部で同じような医療機能を持つ医療機関の林立により医療資源の活用が非効率になっていること、さらには医師の少ない地域での医療提供量の不足、医師に過剰な負担が強いられていることなどから、三位一体の改革の必要性を訴えた。

(医療タイムス)

 

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