【Report】[医療機器] 足立区の等潤病院、PHRの実現目指す
「CADA-BOX」のサービス開始
2019-06-18
社会医療法人社団慈生会(東京都足立区、伊藤雅史理事長)等潤病院は5月22日、メディカル・データ・ビジョン株式会社(同千代田区、岩崎博之代表取締役社長、以下「MDV」)が開発した診療情報などを患者と共有する機能を付帯した病院向けのシステム「CADA-BOX」のサービスをスタートさせたと発表した。同日に開催した等潤病院とMDVによる共同記者会見で明らかにした。 
文:君塚靖(メディカル・データ・ビジョン広報室)


自らの医療情報を管理するPHRを実現

等潤病院の「CADA-BOX」導入は東京では初めて。「CADA-BOX」のサービス稼働は全国で7番目となる。等潤病院は「カルテコ」により、人が一生涯の健康・医療情報を自ら管理できるPHR(パーソナルヘルスレコード)の実現を目指す。

「CADA-BOX」の診療情報などを共有する機能は、「カルテコ」と呼ぶWEBサービス。当初は、慈生会の健診施設「健診センター等潤」で健診を受けた人がスマートフォンなどで健診結果や胸部エックス線などの検査画像をいつでも確認できるようになる。

等潤病院では8月ごろに電子カルテの大規模リニューアルを控えており、診療情報の共有は秋をめどに開始する予定だ。


医療・介護情報連携に早くから着手

慈生会は等潤病院を含めた診療所、介護老人保健施設などのグループ施設の間で、電子カルテや介護システムの情報連携ネットワークを完成させている。また、入院中の患者やその家族が、提供された医療の内容、例えば処方や検査結果、バイタルサインなどをベッドサイドのタブレット端末を通じて確認できる。

一方、等潤病院は地域での情報連携も進め、2015年には今の「東京総合医療ネットワーク」の前身となる実証実験を、日本医科大学病院(同文京区、汲田伸一郎院長)と開始した。電子カルテで別ベンダーを採用している日本医科大病院との情報連携を試みた。

その実証実験が成功したため、昨年11月に都と都医師会による「東京総合医療ネットワーク」の本格運用がスタート。等潤病院も「東京総合医療ネットワーク」に参画した。


足立区から離れた同じ都内の文京区にある日本医科大病院との情報連携は順調だ。日本医科大病院を退院し、等潤病院を外来受診、あるいは転院してきた患者の情報は把握できるようになった。

また、「東京総合医療ネットワーク」が稼働したことにより、近隣の診療所の医師は、等潤病院に紹介で送った患者がその後、どのような医療を受けたかなどを、自院の診察室で確認できるようになった。


国のPHR実現には時間がかかる

PHRの実現を目指して「CADA-BOX」を導入した理由について伊藤理事長は、「これまで医療・介護の情報連携を進めてきたが、外来の患者さんに診療データをどのように返すかが課題だった。そこで『CADA-BOX』に出会った。PHRについては、国が主導しようとする動きがある。また本来、国民の診療データの管理は国の役割だ。しかし、国のPHRの実現にはまだ時間がかかりそうなのでMDVにまかせてみようと思った」と語った。

(医療タイムス)

 

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