部下の指導方法を前向きにバージョンアップ
「SCARF(スカーフ)」とは
2019-05-27
「最近は厳しく指導するとすぐパワハラだとかいわれて困るなぁ」「働き方改革で権利主張が強くなってるよね。昔は少しくらい我慢したもんなのに」こんな話をよく聞くようになりました。

ところで、人材マネジメントや人材育成の分野では、近年、脳科学分野からの研究アプローチが盛んになっています。例えば、「SCARF(スカーフ)」モデルという有名なモデルがあります。SCARFとは、Status(地位・立場) Certainty(確実性) Autonomy(自律性) Relatedness(関係性) Fairness(公平性)の頭文字をとったものです。

Status(地位・立場) 相対的な自分の地位
Certainty(確実性) 将来の見通し
Autonomy(自律性) 自分で状況をコントロールできる度合い
Relatedness(関係性) 人とのつながり
Fairness(公平性) 公平に扱われること

これらが脅かされると脳の扁桃体が刺激を受け、脅威を感じ、逃走・逆送反応を示すということが分かっています。そのため、結果主義で競争をあおり、他者との比較をするような指導をすると、部下は恐れを感じ、とたんにモチベーションが下がってしまうことになります。これは、「脳」の反応なのです。人材マネジメントの分野でもこのような知見が蓄積され、それに基づいた様々な手法が提言されてきています。

このように新たな知見や技術がもたらされれば、部下の指導や育成方法もやり方を変えていく必要がありそうです。このときに、今までのやり方を否定されていると捉えると抵抗感があります。そうではなく、新たな知見を取り入れて、部下指導や育成の方法をバージョンアップしていくという捉え方をするといいのではないでしょうか。

例えば、「昔はそろばんで計算していたのに、最近の若者は電卓すら使わん。パソコンになっとる!けしからん!」なんて言う人はいないですよね。「昔は練習中に水なんか飲まないで何時間も猛練習したものだ。それを今では小まめに水分を取りやがって」なんて言う人もいないですよね。より良い技術や知見を取り入れて、あらゆるものがレベルアップしているのだと思います。人材マネジメントの分野も同じです。新たな技術や知見がどんどん入ってきているのです。

働き方改革の後押しもあって、人材マネジメントの分野も流れが急速になってきているのは確かです。自分のこれまでのやり方を変えていかなければならないことも少なくないかもしれません。人材マネジメントの分野は、自分が経験してきた指導や自分がある程度効果を実感している指導をする傾向がありますから、やり方を変えるとなると心理的な抵抗が生じる場合もあります。

でも、それは過去のやり方を否定されているのではなくて、より良い技術や知見をどれだけ活かせるかが問われているのだと考えてみてはどうでしょうか。

目的はスタッフの成長、やりがい作りであり、それは昔も今も変わりません。そのためにより良い方法を取り入れていくということは、誰もが理解できるところではないでしょうか。

株式会社日本経営 橋本 竜也

 

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