「目の前の患者を受け入れ生活を支える」基本に立ち返る
医療法人社団城東桐和会 東京さくら病院(東京都江戸川区)
2019-04-19
東京さくら病院の新たな視点
(1)「断らない慢性期」の理念を実現
(2)病床稼働率を維持する複数の対応策
(3)病床機能にこだわり過ぎずに患者を受け入れる

東京さくら病院は地域包括ケア病棟を中心に医療と介護の情報共有を図ることで高い病床稼働率をキープ。「断らない慢性期」を理念に掲げ、日本一の慢性期病院をめざす。

東京・城東地区の高齢者医療を支えるべく、2013年7月に開設した東京さくら病院。「医療に対する思いだけでは病院を存続できません。経営を考えると病床稼働率を上げ、いかにキープするかが重要です」と東海林豊院長は説明する。2018年1月に開設した地域包括ケア病棟を活用し、在宅や介護施設からの患者受け入れを行う。

同病棟では在宅復帰率70%を維持するため、スタッフが入退院先を意識してチェック。在宅高齢者が同病棟に短期入院し、リハビリを行うことでフレイルを予防する「ブラッシュアッププログラム」を企画、患者確保につなげている。

高い稼働率をキープするため、医療・介護での情報共有の仕組みづくりにも注力する。介護職が利用者の状態を医療職に的確に伝えるツールが必要だと東海林院長が考え(図)、システム化したのが「介護天気予報図」。法人内の介護施設利用者の健康状態を点数化、入院の可否を決定する。患者・利用者家族向けにもアプリを開発、2019年には運用を開始する予定だ。

また、緩和ケア病棟は専門医2人を配置、退院後も引き続き訪問診療を行う。千葉県浦安市に2019年4月、開院予定の法人内の新病院と連携し、在宅の緩和ケアを充実させていく。「断らない慢性期」を掲げる同院では、地域包括ケア病棟が満床の場合には緩和ケア病棟を利用するといった柔軟な運営を行う。外来機能がなく、入院患者は紹介に限られるため、機能別にとらわれず病院全体を1つの病床と考え、患者を受け入れる。こういった取り組みで、病床稼働率はほぼ100%に達する。東海林院長は、「機能分化にこだわり過ぎるとできないことが増えてしまいます。医療を必要とする目の前の患者さんを受け入れ、生活を支えるという基本に立ち返ることが大事。開院から5年が経ち、スタッフの意識もいい方向に変化してきました。日本一の慢性期病院をめざします」と力を込める。


●医療法人社団城東桐和会 東京さくら病院
住所:〒133-0063
東京都江戸川区東篠崎1-11-1
病床数:258床(回復期リハビリテーション病棟60床、
地域包括ケア病棟40床、医療療養病棟120床、緩和ケア病棟38床)

(フェーズ3 2019年2月号)

 

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