市民講座の開催やボランティア活用など 地域に開かれた施設をめざす
社会福祉法人麗寿会 特別養護老人ホーム 「ふれあいの麗寿」(神奈川県茅ヶ崎市)
2019-02-08
地域に開かれた施設をめざす神奈川県茅ケ崎市にある特別養護老人ホーム「ふれあいの麗寿」では、運営する社会福祉法人麗寿会が市と連携して立ち上げた認知症高齢者の見守りネットワークに参画している。加えて、市民向け講座の開催、年間500人を超えるボランティアが訪れるなど、地域に開かれた施設づくりに取り組んでいる。


施設で培ったノウハウを地域住民に還元

社会福祉法人麗寿会は、神奈川県下最大の医療法人グループ「ふれあいグループ」の福祉部門として特別養護老人ホームやグループホームなど11事業所を運営している。神奈川県茅ヶ崎市にある特別養護老人ホーム「ふれあいの麗寿」は、同法人の3番目の特養として2016年10月に開設された。5階建ての建物からは、江戸時代の浮世絵師・歌川広重の連作「東海道五十三次」などで知られる「左富士」を眺めることができる。

同施設は、同法人がそれまでの特養運営で培ったノウハウを踏まえて、居室は多床室とユニット型個室の混合型(計110床)。また、グループ内の医療機関と連携し、万全の医療提供体制で入居者の安心感を確保している。同施設のすぐそばにはグループ学校法人が運営する茅ケ崎リハビリテーション専門学校があり、働きながら介護の資格も取得できるなど、職員にとっても働きやすい環境を整えている。

さらに、同法人は設立時から認知症ケアに注力している。「法人設立当初から、病院もほかの施設も受け入れられないような認知症高齢者を受け入れてきました。そうした積み重ねが茅ケ崎市との信頼関係の構築につながりました」と、理事長の大屋敷幸志さん。

市と同法人が連携して立ち上げた認知症高齢者の見守り活動「茅ケ崎市徘徊老人のためのSOSネットワーク」では、認知症高齢者が行方不明になった際に法人事務局から各協力機関に連絡が回る。年間80件にのぼる通報があり、早期発見や保護につながっている。


「ボランティアコーディネーター」を専属配置

同施設は、地域に開かれた施設をめざして、さまざまな活動を展開している。その一つは、市民向け講座「ふれあい福祉講座」だ。施設を知ってもらうきっかけとして開設当初から始めているもので、同施設職員が介護保険制度の仕組みや認知症予防、交通事故防止などについて話をしており、隔月で実施。時には入所相談につながるケースもあり、地域住民の福祉教育の場が施設への理解を深めるきっかけにもなっているようだ。


同施設が力を入れる取り組みのもう一つに、住民ボランティアの活用がある。アクティビティの一環として歌を歌ったり、楽器の演奏、傾聴、入居者が使うものを縫う裁縫などを手がけている。ボランティアの数は年間500人以上。特徴的なのは、ボランティアができることと施設側の要望を結びつける役割として「ボランティアコーディネーター」を配置している点だ。

「一般的に、介護施設にボランティアをしたいと申し出ても、職員が忙しくて対応してもらえないことが多い。また、ボランティアをしたくても、何ができるのかわからないという人もたくさんいます。そうした人たちと介護施設をつなぐことが私の役割です」と、ボランティアコーディネーターの相田敬子さんは説明する。ボランティアの得意なことややりたいことを聞き出し、役割を考えることで、ボランティア自身の生きがいにもなっている。ボランティアに来た人からは「また来たい」という声も多く、活動の継続にも一役買っている。

「ボランティアをきっかけに介護職になる人もおり、人材の裾野を広げることにも寄与しています」と、大屋敷さんはその効果を語る。


●社会福祉法人麗寿会 特別養護老人ホーム 「ふれあいの麗寿」
〒253-0061
神奈川県茅ヶ崎市南湖1-6-15
TEL:0467-85-1122

(撮影:下山展弘/地域介護経営 2018年12月号)


 

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