[医薬品] 費用対効果評価の価格調整、階段方式提案も慎重意見相次ぐ 
中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会・薬価専門部会・保険医療材料専門部会合同部会(第11回 11/7)《厚生労働省》
2018-11-07
中央社会保険医療協議会の費用対効果評価専門部会・薬価専門部会・保険医療材料専門部会の合同部会は11月7日開かれ、医薬品・医療機器の費用対効果評価結果を踏まえた価格調整の方法などについて議論した。試行的導入では増分費用効果比(ICER)が基準値よりも高い場合はスロープ状に設定した引き下げ率に応じて価格を引き下げる方式が採用されたが、厚生労働省は基準値を上回る品目の引き下げ率を一定にする階段方式への変更を提案。委員からは、階段方式のほうが評価結果を価格に適切に反映できるという根拠が不明確などとして、慎重な検討を求める意見が相次いだ。
 
試行的導入ではICERの値が500万円/QALYを超えた場合に価格引き下げを実施(1QALYは完全に健康な状態を1年継続することを意味する)。500万円/QALYから1,000万円/QALYまでの領域に該当する品目については、評価結果が価格にきめ細かく反映されるように、引き下げ率をスロープ状に設定した(p6参照)。
 
ただし、この方式は、品目とICERの値が1対1の関係であることを前提としているため、厚労省は、ICERの値が1つに絞り込めず、一定の幅で評価される品目が将来的に出てきた場合には対応できないと判断。ICERの値で2つの基準値を設定し、基準値間の価格引き下げ率は一定とする階段方式への変更を提案した(p6~p7参照)(p17~p26参照)。
これに対して委員の多くは、「本当に階段方式が学術的にいいのか疑問だ。ICERの値の幅が階段の接点にかかった時はどうするのか」(松本吉郎・日本医師会常任理事)、「試行的導入でも結果として1つの値が出ている。最終的には踏ん切りの話になるのではないか」(今村聡・日本医師会副会長)など、懐疑的な意見を示した。
 
 
◆抗がん剤や難病治療薬などは基準値を別途設定する方向へ
 
また、試行的導入ではICERの値が高く、本来なら価格調整の対象になる品目であっても、公衆衛生上の必要性が高い場合や、生存期間の延長が期待できる抗がん剤などは、ICERの値を割り引く配慮が行われた(p10参照)。この仕組みについても厚労省は、抗がん剤や難病治療薬について特例的に基準値を高めに設定している英国などを参考に、通常の品目とは別に基準値を設定する方法への変更を提案、大方の賛同を得た(p10~p12参照)(p27~p32参照)。 

 

twitter

facebook

ページトップへ戻る