[診療報酬] 控除対象外消費税問題、医療保険内での対応とすべき 財政審1
財政制度等審議会 財政制度分科会(10/9)《財務省》
2018-10-09
財務省は10月9日の財政制度等審議会・財政制度分科会に提出した資料で、2019年10月の消費税率引き上げに伴う医療機関の控除対象外消費税への対応について、「医療保険制度内での対応とすること」とし、診療報酬での補てんにとどめるべきとの考えを示した。三師会や四病院団体協議会、厚生労働省が要望している、個別医療機関で生じる補てんの過不足を調整する税制上の仕組みの創設にノーを突きつけた格好。関係者の反発は必至で、今後議論を呼びそうだ(p46参照)。
 
財務省が主張の根拠としたのが、消費税が非課税のサービスを提供する事業者の事例。一般的な商取引では、消費税の申告の際に、売上に対する消費税額から仕入れ時に負担した消費税額を控除することが認められている(仕入税額控除)。売上に消費税が課されない非課税サービスでは、この仕入税額控除が行えないため、仕入れ時の消費税相当額をサービスの本体価格に上乗せし、最終的には消費者が支払う仕組みになっている(p45参照)。
 
 
◆診療報酬での補てんは通常の非課税取引と同じ構造
 
同じく非課税サービスを提供する医療機関について財務省は、医療保険制度に組み込まれている特殊性から、仕入れ時の消費税を患者と保険者がサービス対価として支払う診療報酬(自己負担+保険給付)で補てんしているが、「構造自体はあくまでも通常の非課税取引と同じ」と説明(p45参照)。
このため消費税10%への引き上げ時には、▽医療保険制度内での対応とする▽総額において医療機関等が負担する仕入税額相当額の範囲内での対応とする▽各科間、診療所・病院間(病院部門はさらに特定機能病院などの各類型間)において、各々の仕入税額相当額の総額に基づき財源配分を行った上で、さらに各類型の中で看護配置基準別のデータも用いるなど、できる限り精緻な対応とする-といった点を基本方針とすることを求めた。(p46参照)
 
 
◆薬価での対応、消費税相当分の改定と併せて実勢価の反映が必要
 
薬価における対応では、税率引き上げ時に増税分の薬価への上乗せと、市場実勢価格を踏まえた薬価の引き下げを同時に行うかどうかが、中央社会保険医療協議会の審議で大きな論点となっている。2020年度には通常の薬価改定が控えており、慣例に従うなら2019年9月に実勢価格把握のための薬価調査実施が必要になるが、その翌月の税率引き上げ時に薬価を下げてしまうと、2020年度の改定後薬価に実勢価格が適正に反映されなくなるからだ。医療機関や医薬品卸事業者の事務負担の増大や、価格交渉への影響を懸念する声もある。
この点について財務省は、「薬価についても消費税率引き上げ相当分の改定を行うことになるが、過剰な国民負担となることのないよう、併せて薬価に市場実勢価格を反映させることが必要」との認識を示した(p47参照)。 

 

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