特集 「新専門医制度」時代の医師の集め方・働かせ方(後編)
新専門医制度で何が変わる?
2018-10-31
【まとめ】
属性を踏まえたアプローチとタスクシフトなど働き方を見直す

今特集では、新専門医制度の概要から現状と課題を掘り下げたうえで、制度下における若手医師の確保について紹介した。単なる医師採用にとどまらず、地域における自院の立ち位置や医師の勤務環境に目を向けることが重要だ。

人材確保と働き方のポイント
・新専門医制度で専攻医を採用
・若手医師向けのプロモーション
・医師に魅力ある職場づくり


連携強化により専攻医を呼び込む

2018年度の専攻医の採用・登録者数をみると、東京への集中と特定の基本領域への偏在が見受けられた。日本専門医機構に対し、日本医師会や各病院団体は、さらなる地域偏在への対応策を求めていることから制度運営の仕組みの見直しが図られていくだろう。

ただ、プログラムの認定やシーリングの設定方法などが見直されたとしても、都市部への集中が一気に改善されるとは考えづらい。

4月から研修を開始した専攻医は8,378人で、卒後2年目の臨床研修医の9割程度に上る。今後も多くの若手医師が、専攻医として研修を受けることを想定すれば、まずは新専門医制度を前提とした医師確保策を講じていく必要があるだろう。

そのためには、基幹施設または連携病院として認定を受けることが大前提。大病院は別にして、民間の中小病院であれば今後充実させたい基本領域に絞り込むことで、連携病院に名を連ねたい。

ハイズ株式会社の裵英洙代表取締役社長が指摘していたが、個々の病院だけでは専攻医の確保はできなくなっている。同じプログラムにより研修を行う基幹施設との連携を強化することで、ほかの連携病院ではなく自院に専攻医を呼び込もう。

専攻医の確保策、イコール若手医師の確保でもある。若手医師へのアプローチ法は、若手医師の属性を踏まえたうえで行っていく。SNSを使ったプロモーションは重要だが、まずは若手医師の仕事観を押さえたい。

「何をするかよりも誰とするか、コミュニティを重視。研修のなかで同期の専攻医や院内スタッフ、地域の人とのかかわりを生み出す仕掛けをつくる。押し付けが苦手な人が多いので、さまざまな場面で選択基準を伝えたうえで選択肢を示す」と、仕事観につながる傾向について社長が話していたので、参考までに紹介しておく。

優秀な専攻医に来てもらうには、院内の教育体制を整えることも重要。プログラム内容も大事だが、指導医の力量や人柄、職場の雰囲気は研修先を選ぶ条件としてさらに上位にある。専攻医の確保の前に、指導医の確保と教育にも力を尽くすべきだ。

新専門医制度において、働き方の視点は欠かせない。指導医の確保にもつながるが、医師にとって自院が魅力ある職場であるかどうかを今一度振り返ってほしい。

専攻医の場合、基幹施設と連携病院、双方での研修が課せられることから後期研修医よりもマンパワーとしては不足することが想定される。しかし専攻医、研修医としても雑務に追われることなく、専門医に必要な研修に専念したい。そういったことを考慮すると、社会医療法人財団董仙会の神野正博理事長が提示したタスクシェア、タスクシフトの視点で、医療現場における働き方を見直す時機が来ているのかもしれない。

(フェーズ3 2018年9月号)

 

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