高齢期は人生の成熟期その人らしい暮らしを全力でサポート
社会福祉法人くだまつ平成会 特別養護老人ホーム・デイサービス「ほしのさと」(山口県下松市)
2018-10-10
社会福祉法人くだまつ平成会は、高齢期を人生の成熟期と前向きに捉える「スマート・エイジング」の考えを取り入れ、その人らしい暮らしが全うできるように寄り添うケアを実践している。そのなかでも施設と在宅をつなぐデイサービスの機能強化を図り、高齢者の在宅での暮らしが長く続けられるように認知症予防に力を注いでいる。


科学的根拠に基づくケアで認知症予防に注力

1999年に特別養護老人ホーム「ほしのさと」を開設した社会福祉法人くだまつ平成会はショートステイのほか、同敷地内でデイサービスや居宅介護支援などの事業を展開し、常に「その人らしい暮らし」の実現を追求してきた。「多くの方が住み慣れた家での暮らしを望んでいるのに、認知症などによる昼夜逆転の生活に家族が疲弊し、施設入所を選択している現実に注目しました」と、理事長の岩本昌樹さんは語る。

そこで、高齢者が住み慣れた家での暮らしを継続できるように、デイサービスの機能を認知症予防に特化。岩本さんがこだわったのは、科学的根拠に基づくケアと、高い専門性がなくても実践できる取り組みやすさだ。

「特別なことではなく、毎日の暮らしで続けられることを考えました。1つは、朝に太陽の光を浴びること、2つ目は歩くことです」

認知症予防に注力するため、2017年にホール内に自然光が差し込む造りにするなどデイサービスセンターをリニューアルし、中庭には「リハビリ・ガーデン」を設けた。このリハビリ・ガーデンは地形療法の考えを取り入れ、傾斜や芝生スペースを配置し、ゴムチップで舗装した1周50mの歩行スペースを整備したものだ。


子どもの笑い声が高齢者の意欲を引き出す

さらに2018年4月、同一敷地内に企業主導型保育事業所「HUGGARDEN ほしのさとKids」がオープン。リハビリ・ガーデンを特養、デイサービスセンター、保育所の建物が取り囲む環境を整えた。

特養やデイサービスに子どもたちの笑い声が響くようになり、機能訓練に取り組む利用者の意欲も向上したという。ぞうきんを縫って保育所に贈ろうと頑張る利用者もいれば、「子どもたちが喜ぶものをつくりたい」とリハビリでフェルトのクラフト製作を自ら企画する利用者たちもいる。

「保育所を整備した理由は職員の福利厚生ということもありますが、一番は、子どもたちの笑顔によって利用者の好奇心を引き出すことです。デイサービスでは毎朝、子どもたちが“出勤”してきて『おはよう』の挨拶から始まります。リハビリ・ガーデンで遊ぶ子どもたちの陽気な声に誘われ、利用者の方も外に出て歩きはじめます。子どもたちの笑顔には勝てませんね」と、岩本さんは満足そうだ。利用者の家族からも「よく眠るようになった」「夜も落ち着いて過ごしている」などの声が寄せられるようになり、職員のモチベーションも高まっている。

今後について、岩本さんは「自宅で暮らしている方は、自宅を離れての生活を望んでいません。また、介護サービスを必要としない暮らしをしている方は、そうした人生を謳歌し続けたいと望んでいます。“介護を必要としなくなる介護事業所”となることも、私たちのもう一つの重要なビジョンです」と明言する。

このビジョンを具現化するために、2017年の春から定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業もスタートさせた。

「当法人には、この理念やビジョンに賛同したスタッフが多く集まってくれています。スタッフの思いを一つにし、地域の介護のプロとしての役割を全うしていきます」と、岩本さんは意気込む。


●特別養護老人ホーム・デイサービス ほしのさと
〒744-0033 山口県下松市生野屋南1-13-1
TEL:0833-45-3100

(撮影:廣段武/介護ビジョン 2018年8月号)

 

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