【NEWS】[健康] 受動喫煙防止条例が成立、飲食店の対策強化
東京都議会
2018-07-11
東京都の受動喫煙防止条例が6月27日の都議会本会議で、自民党を除く賛成多数で可決、成立した。

焦点の飲食店をめぐっては、従業員を雇う場合は広さに関係なく店内を原則禁煙とするなど、今国会で審議中の健康増進法改正案より厳しい独自基準が盛り込まれた。罰則は5万円以下の過料。今後段階的に施行し、東京五輪・パラリンピックが開催される2020年の4月に全面施行する。

本会議後、小池百合子知事は記者団に「たばこを吸う人も吸わない人も快適な東京を目指す。都条例をきっかけに『健康ファースト』の都政を進めたい」と述べた。

国の改正案が客席面積100平方メートル以下などの飲食店を喫煙可能とするのに対し、都は親族以外の従業員がいれば屋内禁煙とし、「喫煙専用室」でのみ喫煙を容認。健康被害が明らかでない「加熱式たばこ」については、国と歩調を合わせ、分煙すれば飲食しながらの喫煙も認める。

一方、敷地内禁煙とする施設のうち、幼稚園や保育所、小中高校では、国が屋外での喫煙場所設置を可能とするのに対し、都は受動喫煙の害を受けやすい子どもを守るため、屋外の喫煙場所設置も認めない。

採決前の討論では、自民党が「従業員の有無という基準は抽象的かつあいまい。従業員か親族かは判断が難しく、机上の空論だ」と批判した。賛成した公明党も「受動喫煙防止対策の強化によって影響を受ける飲食店については、都が課題を受け止め、丁寧に対応することを強く求める」と注文を付けた。


世論味方に押し切る、実効性の担保課題

国より厳しい独自の受動喫煙防止対策を盛り込んだ東京都の条例が成立した。小池百合子知事は2020年東京五輪・パラリンピックの開催都市として「たばこのない五輪」を目指す方針を表明。成人の約8割が非喫煙者となった現状に「サイレントマジョリティーがいる」と訴え、飲食業界などの反対論を押し切った。今後は、飲食店が全国で最も集まる都内で、実効性をどう担保するかが大きな課題だ。

「禁煙にして売り上げが下がることは致命的だ」。都議会厚生委員会に参考人として出席した飲食店団体の代表は、規制強化に反発。都が事前に相談せず、原則屋内禁煙を決めたことへの批判も強く、営業権の侵害を訴える声も出た。これに対し都は「条例の目的は公共の福祉に合致する。喫煙専用室の設置も認めており、営業の自由を侵害するものではない」と答弁。議論は最後まで平行線をたどった。

都は今後、飲食店の立ち入り検査や指導などを担う保健所の業務内容などを定める。都内では23区と八王子、町田の2市が独自に保健所を設置しており、こうした自治体との連携が不可欠だ。

ただ、都内の飲食店は約16万店舗あり、このうち約84%が原則屋内禁煙の対象となる。繁忙期のみアルバイトを雇う中小店も多く、保健所が雇用状況を把握するのは困難だ。条例に反対する都議会自民党は「実効性のない荒唐無稽な基準。混乱が生じるのは明らかだ」と批判を強める。

都は喫煙者の吸う権利を確保するため、屋外に公衆喫煙所を設ける区市町村に必要経費を全額補助する方針を打ち出した。しかし、路上喫煙やポイ捨てなどの規制条例を独自に制定している自治体からは「屋外喫煙所を置けば、路上喫煙者が増えるのでは」といった不安も漏れる。

(医療タイムス No.2358)

 

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