[医療提供体制] 診療実績ない急性期機能病床、調整会議で確認を 厚労省
地域医療構想に関するワーキンググループ(第13回 5/16)《厚生労働省》
2018-05-16
医療機関が自院の病棟(病床)が担う機能を毎年届け出る「病床機能報告制度」の見直しで、厚生労働省は5月16日の地域医療構想に関するワーキンググループ(WG)に、高度急性期機能または急性期機能と報告していながら、実際には急性期医療を提供していない可能性がある病棟について、地域医療構想調整会議で、具体的な医療の提供実績の確認を行うことを提案した。同省が2017年度の報告データで推計したところ、高度急性期・急性期機能で届け出た病棟の約14%が対象になる可能性があるという。
 
2017年度の病床機能報告で、高度急性期・急性期機能との報告があった病院および有床診療所の病棟は、2万1,265病棟だった。このうち病棟で提供している医療内容を入力する「様式2」の急性期医療関連項目で、レセプト件数・算定日数・算定回数が0件だったのは、▽幅広い手術の実施状況:2,310病棟▽がん・脳卒中・心筋梗塞等への治療状況:1,746病棟▽重症患者への対応状況:1,711病棟▽救急医療の実施状況:1,548病棟-など。これら全ての項目でレセプト件数・算定日数・算定回数が0件だった病棟は1,076病棟だった(p93参照)。
厚労省は、これに様式2未提出の1,938病棟を加えた3,014病棟(高度急性期・急性期機能報告病棟の約14%)では、急性期医療の提供実績がない可能性があるとして、地域医療構想調整会議で病棟が実際に担っている機能を確認することや、高度急性期・急性期機能の届出について、定量的な基準の設定などを検討することを提案した(p92~p93参照)。
 
◆公立・公的病院の再編統合事例の見える化なども提案
 
また、公立・公的病院の再編・ネットワーク化と民間医療機関との機能分担・連携を進めるため、地域医療構想に関するWGで、▽構想区域ごとの取組状況の分析▽再編統合事例の見える化-について検討することも提案した(p88~p89参照)。
 
現在、地域医療構想調整会議では、公立・公的病院が策定した「新公立病院改革プラン」、「公的医療機関等2025プラン」についての協議が進行中で、その際、プランに盛り込まれた病院の機能が、公立・公的病院でなければ担えない分野に重点化されているかを確認することとされている。だが、公立・公的病院が病床機能報告で選択した2017年時点の病床数が、構想区域全体の将来の必要量(2025年)をすでに超過している区域が複数存在することから、厚労省は、構想区域における公立・公的病院の再編統合の必要性についての議論が十分行われていないのではないか、と問題意識を示している(p88参照)。
 
2017年時点の公立・公的病院の既存病床数が、2025年の必要量を超過している構想区域は235区域。病床機能ごとの内訳は、▽高度急性期・104区域▽急性期・156区域▽回復期・3区域▽慢性期・12区域-となっている(重複あり)。一方で、これら病院の再編統合に関する議論を行っているのは、341構想区域中24区域にとどまっている(p81参照)(p85参照)。
 
このほか、調整会議の体制の充実と強化を図る方策として、(1)都道府県単位での地域医療構想調整会議の設置を推奨、(2)都道府県主催研修会の開催支援、(3)地元に密着した「地域医療構想アドバイザー」の育成-について具体的な検討を進めることも提案した(p75~p76参照)。

 

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