特集 「ヘルスケア業界ミニブック」を読む(前編)
地域における回復期機能の動向
2018-04-16
地域医療構想の中で増加が求められている回復期機能は、福島県以外の都道府県で病床数が増加した‐日本政策投資銀行、日本経済研究所が編んだ「ヘルスケア業界ミニブック」では、その事実が判明した。今回は、特に回復期病床増加の取り組みを行う県も含めて、その内容を紹介する。

※ミニブックはDBJウェブサイト「地域・産業・経済レポート」で閲覧できます。


【回復期機能の増床の進捗状況】
ほとんどの都道府県で回復期病床が増加

増加が求められている回復期機能病床

日本政策投資銀行と日本経済研究所のヘルスケア業界チームはこのたび、「ヘルスケア業界ミニブック」を発刊した。これは同チームの情報発信の一環として毎年発刊しているもので、その時々の重要なテーマを選定し、特集している。

テーマ選定は、「さまざまな機会に病院を訪問した際に、話題となる課題を持ち寄ってチームで検討して決めている」(ヘルスケア業界チーム担当者)。

今回は、「地域における回復期機能」「介護事業所の収益動向」「医療法人などへの監査義務付け」の3つが選ばれた。

特に「地域における回復期機能」では、各都道府県で策定された地域医療構想の中で増加が求められている回復期機能について、各都道府県での必要病床数の充足に向けた進捗状況、また取り組み事例をまとめている。


回復期進捗率が高いのは秋田県

都道府県ごとに2025年の回復期機能の必要病床数の充足に向けた進捗率(以下、回復期進捗率)をまとめた(表1参照)。具体的には、2014年度病床機能報告と2016年度病床機能報告を基に、この2年間に各都道府県で回復期機能の病床数がどのくらい増えたかを調査し、2025年における回復期機能の必要病床数と対比した。

その結果、福島県以外のすべての都道府県で回復期機能の病床が増加していることが分かった。また2014年度から2016年度にかけて、回復期進捗率が最も高かったのは秋田県(44%)であり、次いで熊本県(34%)、富山県(33%)であった。一方、純増数としては、多い順に福岡県(2,490床)、東京都(2,461床)、兵庫県(1,849床)となっており、増加した病床数でみると東京都、福岡県などの大都市圏で増えていることが分かる。

「ヘルスケア業界ミニブック」では、回復期進捗率が高かった3県(秋田県、熊本県、富山県)と純増数が多かった1県1都(福岡県、東京都)を対象に、2次医療圏別かつ、開設者種別に病床機能別の増減数をグラフとして示している。

この4県1都の状況を見ると、回復期機能の病床数の増減数や回復期進捗率は2次医療圏によってばらつきがあることが分かった。例えば、秋田県では県全体の回復期進捗率は44%であるが、北秋田医療圏は0%、横手医療圏は83%と2次医療圏によって大きな差が生じている。

また回復期機能への病床転換を積極的に行っている開設者種別も県や二次医療圏によって異なり、例えば秋田県はその他公的病院による増床が最も多いのに対し、熊本県は国立・公立病院や民間病院による増床が多い。また、福岡県や東京都などの都市部の特徴としては高度急性期と急性期を中心とした病床転換となっており、回復期への転換は割合が少ない。


(後編)につづく

 

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