街全体の活性化につながる住宅運営やイベント開催に注力
社会福祉法人あかね サービス付き高齢者向け住宅「ヴィラ グラスセゾン」(兵庫県尼崎市)
2018-01-10
街全体の活性化につながる住宅運営やイベント開催に注力

兵庫県尼崎市の阪神「尼崎」駅前にある「ヴィラ グラスセゾン」は、社会福祉法人あかねが運営するサービス付き高齢者向け住宅のひとつだ。その周辺に同法人は特別養護老人ホームやデイサービス、訪問看護ステーション、地域包括支援センターを運営し、地域密着型の福祉サービスを展開している。


地域の子育て層向けに子ども食堂を開催

社会福祉法人あかねは、1995年に特別養護老人ホームを備えた介護福祉施設を尼崎市に開設して以来、大阪市に隣接する尼崎市、自然豊かな川辺郡猪名川町、南西部に位置する姫路市の3エリアに計15施設を展開している。特に施設が集中しているのが、同法人第1号の特養がある尼崎エリアだ。尼崎市は阪神工業地帯のイメージが強く、以前は「公害のまち」「治安が悪い」などと言われていた。

「最近、そのイメージが変わってきています。再開発によるところが大きいのですが、2015年の『ヴィラ グラスセゾン』開設も阪神・尼崎駅前の雰囲気を変えることに一役買っています。見学者や入居者の方に『駅前がきれいになった』『明るい印象になった』と言っていただくと、介護事業による地域貢献だけではなく、建物の力でまちづくりにも寄与できると感じるようになりました」と、山本雅則広報マネージャーは話す。

建物に出入りする人の往来が増えれば、街全体が活気づき、醸し出す雰囲気も変わっていく。山本さんはこう続ける。

「介護には今は縁がない、地域の子育て層にも福祉業界のことを知ってもらおうと、15年から年に1度、福祉業界の職業体験ができる子ども向けイベント『キッザケア』も無料開催しています」

介護職、看護師、栄養士などの仕事を体験し、その報酬「キュア」で野菜やおやつを購入できる。福祉や社会の仕組みを体感する人気のプログラムで、参加者約100人の大半は同市内の小学生だ。

「介護職は3Kと言われるなどイメージが良いとは言えませんが、現場で働く私たちはそうは思いません。人生の功労者である高齢者の方々と接することができ、喜んでいただけ、誇りを持てる仕事です。だから、子どもたちにも介護職の喜びを知ってもらいたいし、将来の職業として意識してもらえたらうれしい。議論を重ね、毎回プログラムを改良しています」と、「ヴィラ グラスセゾン」支配人の織田基秀さんは意義を語る。

さらに今年から月1回、こども食堂「キッザカフェ」を無料開催。子どもたちと一緒に食事をつくって食べたり、子どもが地域の企業や商工業施設で職業体験をしたり。毎回40人以上が参加する人気イベントだ。


福祉業界のイメージを覆す試みに次々と挑戦

同法人では、イベントだけではなく、「すべての人が憧れる介護施設をつくろう」と、壁紙一枚にもこだわって設計している。同住宅内のレストランの料理には、同法人のオーガニック農園で採れた無農薬野菜を使用。介護技術を認定する「ケアマイスター制度」、サービス力を評価する「サービスマイスター制度」を独自に開発して人材を育て、サービスの質にも磨きをかける。その理由を織田さんは次のように語る。

「『福祉業界らしくない』とよく言われるのですが(笑)、僕たちがめざしているのは福祉業界のイメージを覆すイノベーションを起こすこと。前例やイメージにとらわれないサービスや地域貢献のかたちを、まだまだ模索して挑戦し続けていきたいです」



●社会福祉法人あかね サービス付き高齢者向け住宅「ヴィラ グラスセゾン」
[所在地] 兵庫県尼崎市神田北通1丁目2番地
[TEL ] 06 - 6417 - 0063
[ホームページ] http://www.e-akane.com/

(撮影:福永浩二 / 介護ビジョン 2017年11月号)

 

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