開業にはマーケティングを最重要視 清潔感と緑の活用で安心できる環境を
やすだ泌尿器科クリニック(大阪府門真市)
2017-12-08
POINT
(1)開業にあたりマーケティングを最重要視
必要とされる地域で開業すべく、地域のニーズの調査を徹底。泌尿器科専門診療所のなかった門真エリアに開業した。

(2)わかりやすくていねいな説明に注力
患者の不安や心配の解消につながるように、必要な情報は患者が正しく理解するまで、次回の診察でも何度も繰り返し説明する。

(3)女性も入りやすい清潔で明るい空間づくり
「恥ずかしい」というイメージを払拭するため、植物や花などを飾りアットホームな雰囲気に。女性も入りやすいよう専用の待合室も設けている。


地域のニーズを徹底的に調査したうえで開業

2016年5月、大阪府門真市で泌尿器科専門医として開業し、地域に根ざした医療を提供しながら着実に患者数を増やしているのが、やすだ泌尿器科クリニックだ。安田宗生院長は、実は医師になった当初は開業する気はまったくなかったと語る。

安田宗生院長は、実は医師になった当初は開業する気はまったくなかったと語る。

「ところが家族の事情などにより、ライフスタイルの変更を迫られることになりました。勤務医時代は手術も得意ではありましたが、外来で患者さんとやり取りするのも好きだったので、開業を決意しました」

そこで開業するにあたり、安田院長は地域のニーズを押さえるべく、マーケティングを重視し、徹底的に調査したという。「診療所を経営するうえで、病診連携、診診連携、地域連携などももちろん大切ですが、それはあとからついてくるものでもあります。まずは地域のニーズをしっかり調査し、泌尿器科が必要とされている場所を選定しました」と、安田院長は振り返る。

2025年に団塊の世代が後期高齢者となり、高齢化が進むなか、頻尿、尿失禁に悩む患者が増える。しかし、需要の高まりに反して泌尿器科医は不足しているのが現状だ。特に安田院長が選んだ門真エリアは、皮膚科などに泌尿器科を併設する診療所はあったものの、専門医が皆無であった。

そうした狙いも功を奏し、開業後すぐに患者数は1日平均40人を超えたという。年齢層は20代から80代まで各年代で幅広く、現在は医師1人に看護師2人、事務職員3人で対応している。


清潔感と明るい空間づくりで受診のハードルを下げる

診療所を経営していくにあたっての同院のモットーは、「わかりやすくていねいな診療」だ。これについて安田院長は、「1人当たりの診療時間は5分から7分程度。その限られた時間のなかで、言わなくてはいけないことはすべて伝えます。しかし、そのうち2割も伝わっていないだろうと思っています。だから次回もその次でも、何度でも説明し、患者さんにもわからなければ何度でも質問してくださいと伝えています」と話す。さらに部位の模型を用いるなど、患者の不安や心配を解消することに、最大限寄り添うようにしている。

また泌尿器科の受診は、「恥ずかしい」と感じる人も多いため、院内は清潔感や明るさを大事にして、観葉植物や花などの緑を多く飾りアットホームな雰囲気を演出。敷居が低くなるように意識している。特にトイレは、きれいな状態を維持するため、スタッフ全員で常に注意を払う。また、特に女性は受診に抵抗がある傾向が強いことから、女性専用待合室を設けて、人目が気になる患者のプライバシーに配慮しているという。

そんな安田院長に今後の展望を尋ねると「医師としての心構えなど何から何まで教わった同じ泌尿器科医の恩師は、今も1日100人の患者さんを診ています。自分も1日100人の患者さんを診られるようになることを目標に、頑張っています」と語る。

さらに、安田院長の目指す先はそれだけではない。近年前立腺がん治療が進歩し、有効な新薬が次々と開発されていることからも、体調の悪いなかわざわざ離れた病院に通う前立腺がん患者が、同院で楽に必要な治療を受けられるようにしたいと考えている。まだ開業して日が浅いこともあり、実際に受診しているがん患者はほとんどいないが、これからも足下をしっかり固めて、地域から信頼される泌尿器科医となるべく、日々の地道な努力を続けていきたいと、安田院長は語る。


●やすだ泌尿器科クリニック
大阪府門真市垣内町12-32
古川橋メディカルプラザ3F
TEL:06-6967-8406
診療内容:泌尿器科

(クリニックばんぶう 2017年10月号)

 

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