[医薬品] 試行的導入の判定基準は既存調査を参考に設定 費用対効果部会
中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会(第45回 8/9)《厚生労働省》
2017-08-09
中央社会保険医療協議会・費用対効果評価専門部会は8月9日、費用対効果の試行的導入における総合的評価(アプレイザル)の方法などについて議論した。2018年4月からの制度化に先駆け、医薬品・医療機器13品目を対象に実施しているもので、2018年度薬価・材料価格改定に合わせ、試行結果を踏まえた価格調整を行うことになっている。費用対効果評価の判定基準は支払い意思額をベースに設定する方針で、現在、支払い意思額把握を目的とした調査の実施が計画中だが、時間的に2018年度改定に間に合わせるのは困難な状況。そのため厚生労働省は、試行的導入では既存調査を判定基準の設定に使うことを提案した。
 
費用対効果評価のアプレイザルでは、増分費用効果比(完全な健康状態を1年間継続させるのに必要な費用=ICER)の値に応じて5段階で判定。費用対効果が悪いという結果が出ても、代替治療が存在しないなど考慮すべき社会的、倫理的要素がある場合は、判定結果を引き上げる補正を行う。
 
 
◆社会的、倫理的要素から小児疾患の治療は除外、イノベーションは検討を継続
 
社会的、倫理的要素の考慮基準としてこれまで、(1)感染症対策など公衆衛生的観点での有用性、(2)公的医療の立場からの分析には含まれない追加的費用、(3)長期にわたり重症の状態が続く疾患での延命治療、(4)代替治療が十分に存在しない疾患の治療、(5)イノベーション、(6)小児の疾患を対象とする治療―とする案が出ていたが、厚労省は試行的導入ではこのうち(1)から(4)のみを採用することを提案した。(5)のイノベーションは、薬価算定の段階ですでに評価されており不要との意見があったことなどから、今後、アプレイザルの結果を踏まえた価格調整方法を検討する中で整理。(6)の小児の疾患を対象とする治療は、考慮基準から外す考えを示した(p6~p12参照)。
 
一方、ICERの値を5段階評価に割り振る際の基準値は、国民が1年間完全な健康状態を獲得するのに支払える金額(=支払い意思額)を参考に設定する。試行導入ではこの基準値設定に、今後実施予定の支払い意思額調査の結果ではなく、既存調査を活用する方向となった(p14~p17参照)。
厚労省が、結果が出るのを待っていては2018年度薬価・材料価格改定に間に合わないと判断したためで、制度化の際の価格調整に活用する意向だが、支払側委員は、「試行的導入では既存調査、制度化では調査結果を活用し、調整後の価格が大きく異なることになれば現場が混乱する。(そうした事態を回避するためには)試行的導入の結論を得る段階までに支払い意思額調査の結果を参考値として持っておく必要がある」(幸野庄治委員・健康保険組合連合会理事)などと反発。迫井正深医療課長は、「指摘の点は我々の認識と変わらないと思う。試行的導入に関する検討と支払い意思額調査はパラレルで進めていく」などと説明し、次回以降、具体的スケジュールを示すことを約束した。

 

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