Q.「マタニティハラスメント」について教えてください。
2017-08-23
Q.
「マタニティハラスメント」について教えてください。

最近、「マタニティハラスメント」という言葉をよく聞きますが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。


A.
「マタニティハラスメント(マタハラ)」とは働く女性が妊娠・出産を理由に解雇・雇止めをされることや、妊娠・出産にあたって職場で受ける精神的・肉体的なハラスメントです。

「マタニティハラスメント(マタハラ)」とは働く女性が妊娠・出産を理由に解雇・雇止めをされることや、妊娠・出産にあたって職場で受ける精神的・肉体的なハラスメントです。「セクハラ」「パワハラ」に並ぶ3大ハラスメントの一つとして注目されています。

「マタハラ」は大きく4つの類型にわけられると言われています(“マタハラNet”より)。

【昭和の価値観押し付け型】
「子どものことを第一に考えないとダメだろう」「君の体を心配して言っているんだ」「旦那さんの収入があるからいいじゃない」この言葉の後に「だから、辞めたら」と続くと完全なるマタハラとなります。ここは、性別役割分業の意識が根付いていて、女性は妊娠・出産を機に家庭に入るべき、家庭を優先すべき、それが幸せの形だと思い込んでいることから起きてしまうマタハラです。

【いじめ型】
「迷惑なんだけど」「休めていいよね」「自己中」「ズルしてる」など。妊娠・出産で休んだ分の業務をカバーさせられる同僚の怒りの矛先が、妊娠や育児中の女性に向かってしまうケースです。勝手に妊娠したのに何故フォローしなければならないのだという不公平さがその原因です。マタハラの解決には、フォローする上司、同僚の評価制度の改善や、カバー分の対価の見直し、また結婚・妊娠の選択をしない人にも長期の休暇が取れる制度の導入など、妊娠した女性のみならず、組織全体に対する救済措置が必要です。

【パワハラ型】
日本には長時間働けて一人前、長時間働けなくなった育児を抱える女性は半人前という労働文化があります。長時間働けない社員に、長時間労働を強制することがパワハラ型のマタハラです。「時短勤務なんて許さない」「夕方帰る正社員はいらない」「妊婦でも特別扱いはしない」など。産休・育休・時短勤務といった制度はあるものの、それを特別なものと考え、利用することを良しとしない職場の風土が大きく横たわっている場合に多く見られるケースです。

【追い出し型】
反対に、長時間働けなくなった社員を労働環境から排除することが追い出し型のマタハラです。「残業出来ないと他の人に迷惑でしょ」「子どもが出来たら辞めてもらうよ」など。酷い会社だと「産休・育休などという制度はうちの会社にはない」などと言うこともあります。驚くべきことに、未だに誰一人として産休・育休を取得したことがなく、妊娠したらみな必ず辞めさせられるという会社が日本には未だに多く存在します。これは明らかに違法行為です。

上記追い出し型以外にも妊娠・出産、育児等の事由を「契機として」、降格、減給などの不利益取扱いを行った場合もマタハラに該当し、法違反となりますので注意が必要です。

原則として、妊娠・出産、育休等の事由の終了から1年以内の不利益取扱いは「契機として」いると判断されます。

多様な働き方への対応、女性が安心して働き続けられる社会の実現が求められる中で、「マタハラ」は今後ますます注目されるものと考えます。

マタハラは決して従業員同士の問題ではありません。上記の4つの類型からもわかるように使用者からのマタハラも多く報告されていますし、妊娠・出産の報告があった従業員や育児休業から復帰した従業員の配置転換・仕事内容の決定は慎重に行う必要があります。

就業規則の服務心得(職員が守るべきルール)や懲戒事由にマタハラについての記載はありますか?
マタハラと思われる発言や言動があった場合でも、就業規則に記載がないと懲戒処分を行えない場合も考えられます。

なお、最近では「セクシャルハラスメント防止規程」、「パワーハラスメント防止規程」に続いて、「マタニティハラスメント防止規程」を作成する法人も増えています。「セクシャルハラスメント防止規程」、「パワーハラスメント防止規程」を作成されていない場合は、「ハラスメント防止規程」としてハラスメント全般について定義やルールを作成し、快適な職場環境づくりに役立てることをお勧めしております。

参考:マタハラNetホームページ

(2017年7月度編集)
本掲載内容に関する一切の責任は日本経営グループの(株)日本経営エスディサポートに帰属します。尚、内容につきましては一般的な法律・税務上の取扱いを記載しており、具体的な対策の立案・実行は税理士・弁護士等の方々と十分ご検討の上、ご自身の責任においてご判断ください。

 

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