特集 インセンティブで健康づくり(中)
健幸ポイントプロジェクトの成果
2017-06-20
【成果報告】
参加者歩数は平均2,000歩増 BMI25未満への改善やメタボ非該当に改善


■全国6自治体が参加

・筑波大学、みずほ情報総研、つくばウェルネスリサーチ、凸版印刷は、2014年12月から17年3月までの期間、全国6自治体とともに、多数の市民を健康づくりに誘引できるインセンティブ制度の大規模実証を行った(図2)。



■運動無関心層の取込みに成功

<運動の実施状況からみた3グループの定義>
・同実証事業に運動無関心層がどの程度参加したかを明らかにするため、事業開始時に歩数計で計測した歩数とアンケートで調査したスポーツ
・運動教室への参加状況から次の3グループに分類し、「運動未実施層」と「運動不充分層」をあわせて、「運動無関心層」と整理した(図3)。
(1)「運動未実施層」現在、国の推奨活動量(8,000歩/日)を満たしておらず、自治体/民間のスポーツ
・運動教室に参加していない者
(2)「運動不充分層」現在、国の推奨活動量(8,000歩/日)を満たしていないが、自治体/民間のスポーツ
・運動教室に参加している者
(3)「運動充足層」現在、国の推奨活動量(8,000歩/日)を満たしている者

<参加者の約76%は運動未実施層と運動不充分層>
・参加者全体の17.6%が運動未実施層、58.2%が運動不充分層であり、この2グループの合計である運動無関心層は、全体の75.8%を占めた。



■参加者の歩数は、開始から18カ月目を経過しても国の推奨活動量8,000歩/日を上回り、継続維持(図4)

・参加開始1週間の平均歩数をベースラインとし、平均歩数の推移を調べた。
・結果、6市全体の平均歩数は、ベースラインの6,473歩/日から開始6カ月後には国が定める推奨活動量(8,000歩/日)以上になり、約2,000歩/日の増加が認められた。さらに、開始より18カ月目においても、平均歩数は8,647歩/日を記録しており、継続して国が定める推奨活動量以上を維持している。
・運動未実施層および不充分層での平均歩数推移を確認すると、ともにベースラインより18カ月目には約3,000歩増加しており当初は低歩数であってもインセンティブにより身体活動量を引き上げることが示唆される。

■実証参加6市全体における医療費において、60歳代では年間約4.3万円/人、70歳以上では年間約9.7万円/人の抑制効果

・事業開始前後となる13年度と15年度の6市全体における国民健康保険加入者の1人当たり医療費の推移を調査した結果、本実証事業の参加者(参加群)における医療費の伸びは、本実証事業に参加していない人たち(対照群)と比較して、60歳代では年間約4.3万円、70歳以上では年間約9.7万円の抑制効果があったことが確認された。
・同実証事業の総参加者数(1万2,616人)を用いて、事業全体の効果額(=年間医療費抑制額+地域経済波及効果?年間事業費)を試算すると、年間で約4.7億円となる(図6)。


■同実証事業の成果をベースに、17年度からは民間企業2社が、新規サービスとして提供開始

・同実証事業で得られた成果を全国の自治体へ広げていくために、インセンティブ付与ルールや運動プログラムをアルゴリム化した上で、民間企業2社(タニタヘルスリンク、ベネフィットワン・ヘルスケア)が自社のICTシステムへ搭載し、新たな健康支援サービスとして提供を開始する。20年度には100万人以上の住民へのサービス提供を目標としている。

(下)につづく

 

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