【NEWS】[医療安全] 施錠徹底など通知、障害者施設殺傷で自治体に
厚労省
2016-08-19
相模原市の障害者施設殺傷事件を受け、厚生労働省は7月26日、都道府県や政令指定都市、中核市に対し、福祉施設や医療施設の安全確保を求める通知を出すことを決めた。一両日中にも通知する。警察との連携強化の他、施錠の徹底による外部からの侵入防止などを要請する。

今回の事件では、障害者施設に入所していた19人が死亡。刃物による殺傷事件としては犠牲者の数で戦後最悪レベルとみられている。同省は、事態の重大性を踏まえ、緊急に対応することにした。


■退院後の治療、義務付けなく

殺人などの容疑で送検された元同施設職員植松聖容疑者(26)は今年2月、「重度障害者を殺す」などと話し、措置入院の処置が取られていた。しかし医師の診断で約2週間後に退院。その後、事件を起こした。退院後の治療を義務付けたり支援したりする制度はなく、専門家は「人権とのバランスもあり、デリケートな問題だ」と指摘する。

措置入院は、精神保健福祉法に基づき、精神疾患で他人に害を及ぼすなどの恐れが生じた場合、指定医2人の判断により、都道府県知事が強制的に入院させる制度だが、治療で症状がなくなれば、やはり指定医の判断で退院させなければならない。厚労省によると、2013年6月末時点で1663人が同制度に基づき入院している。制度に詳しい大学教授は「原則として運用は厳密に行われているはずで、入院の要件となった症状が消えない限り退院できない」と指摘。今回の退院時点での判断に問題はなかったはずだと推測する。退院後については「基本的に、薬を飲み続ける必要があれば、薬を飲む習慣をつけてもらうなどスタンダードな方法で指導する」という。

ただ、治療継続を強制する手段はなく、「それを前面に出すと患者の人権に抵触する。デリケートな問題だ」と話す。

一方、指定医が入院の必要を認め、家族などが同意した場合の「医療保護入院」では、患者の退院促進の観点から環境整備が進められている。

厚労省によると、13年の精神保健福祉法改正で、精神科病院に精神保健福祉士の資格を持つ生活環境相談員の配置を義務づけた。

退院後の治療や生活環境の指導、相談などを行う仕組みが整いつつあるが、措置入院の患者は対象になっていない。

(医療タイムス No.2267)

 

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