まずは、結論から！
プレガバリンによるめまい・傾眠は、【副次的な薬理作用による副作用】です。

プレガバリンは、中枢神経系においてCa2＋チャネルのα2δサブユニットへの高い結合親和性により、カルシウムチャネルの細胞表面での発現量及びCa2＋のシナプス末端への流入を低下させ、興奮性神経伝達物質の過剰放出を抑制することにより、過剰興奮したニューロンを鎮め、鎮痛作用を発揮します。
さらに、プレガバリンの鎮痛作用には下行性疼痛調節系のノルアドレナリン経路及びセロトニン経路に対する作用も関与していることが示唆されています。

めまい・傾眠は、中枢神経系の抑制作用により起こると考えられます。

【服薬指導／フォローアップのポイント】
☑服用開始時に注意事項の説明を！
めまい・傾眠は、投与初期、増量時などに用量依存的に発現しています。
発生頻度も20％以上と高く、意識障害を伴うこともあるため重大な副作用に分類されています。
体が薬に慣れてくることで消失することも多い副作用ですが、自動車事故、転倒、高齢者では転倒による骨折などに注意が必要です。

☑初期投与量の確認を！
副作用を軽減するために、初期投与量が定められており症状に合わせて用量調整を行う薬です。

☑さらに、腎機能障害のある方は注意
プレガバリンは、ほとんど代謝を受けず尿中に未変化体のまま排泄される薬です。
初回投与時や増量時には患者さんの腎機能にあった処方量及び投与間隔となっているか？クレアチニンクリアランス値を参考に検討しましょう。
高齢者では腎機能が低下していることが多いため要注意です。

☑投与中止時にも注意を！
急激な投与中止で、不眠、悪心、頭痛、下痢、不安及び多汗症等の離脱症状があらわれることがあります。
投与を中止する場合は、少なくとも1週間以上かけて徐々に減量する必要があります。

☑絶食時の服用に注意！
プレガバリンは、食後等の服用タイミングの定めはありませんが、食事の影響を受ける薬です。
食事の影響試験（添付文書に記載あり）でも、「絶食時及び食後にプレガバリンを150mg単回経口投与した時の浮動性めまいの発現率は、食後投与5.3%（1/19例）と比べ絶食時投与30.8%（12/39例）で高かった。」と記載されています。