第65回 NSAIDsのアナフィラキシー様症状はなぜ起こるの?
Tags:GooCo 2024-09-25
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引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類” 薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!
今回はNSAIDsのアナフィラキシーについてご紹介します。
まずは、結論から!
NSAIDsのアナフィラキシーは、【副次的な薬理作用による副作用】と【薬物過敏症による副作用】の2つの可能があります。
医薬品などによって生じるアナフィラキシーは、全身組織に分布するマスト細胞の活性化によって起きます。通常、マスト細胞の活性化は医薬品等がアレルゲンとなりIgE 抗体を介して起こりますが、医薬品そのものがマスト細胞を活性化させる場合があります。
NSAIDsによるアナフィラキシーは上記、両方の機序が考えられます。
IgE抗体を介さないものは、NSAIDS不耐性(アスピリン不耐性)です。
特に COX 1 阻害作用を有するNSAIDs により、内因性の抗炎症性メディエーターである PGE2 が急激に減少することにより、システィニルロイコトリエン産生亢進やマスト細胞活性化が誘発される非免疫学的反応(薬理学的変調体質)と考えられています。通常のアレルギー検査(皮膚検査やIgE 抗体検査など)は陰性で、 NSAIDs に対する感作は必要なく、初回投与でも発現します。
過敏症状は 2 通りあり、喘息発作や鼻閉主体の気道型と、じんま疹血管浮腫が主体の皮膚型に分かれます。通常は COX 1阻害作用を有する NSAIDs を服用後 1 時間以内に、強度の喘息発作や鼻閉が生じますが、皮膚型は、過敏症状発現まで数時間要することも多くあります。気道型NSAIDs不耐症では、 COX 1 阻害作用がない選択的COX 2阻害薬(セレコキシブ)やアセトアミノフェンは安全に使用できますが、皮膚型 NSAIDs 不耐症では、時にそれらにも反応を示します。
【服薬指導/フォローアップのポイント】
☑副作用歴の確認
アナフィラキシーは、防ぐことの難しい副作用ですが、1度起きた方が2度と起こさないようにすることは可能です。
患者さんへの聞き取りをしっかりと行い、再びアナフィラキシーを起こさないよう患者さんを守っていきましょう!
⇒薬歴だけでなく、お薬手帳への記載も行い、患者さんへお薬手帳の活用方法を伝えるようにしましょう。
☑服服用歴の確認
アナフィラキシーは発生頻度の少ないですが、重篤な場合が多い副作用です。
NSAIDsは、多くの方が使用したことのある薬剤です。服用歴の確認をする事でアナフィラキシー発現の可能性を見極めることもできます。
⇒NSAIDs によるアナフィラキシーは、NSAIDsのうち、1 剤だけで起きる場合と、複数薬剤のいずれでも起きる場合があります。IgEは通常関与しませんが、1 剤だけで起きる場合ではIgEが関与する事例が報告されています。
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