電子薬歴GooCoの株式会社グッドサイクルシステム
CORPORATE SITE

薬局お役立ち情報 - 副作用機序別分類を極めよう!

第63回 メトホルミンの血中尿酸上昇はなぜ起こるの?

Tags:  2024-07-26

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類” 薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!
今回はメトホルミンの血中尿酸増加についてご紹介します。

結論から!メトホルミンによる血中尿酸増加は、【副次的な薬理作用による副作用】です。

以前のメルマガで、「メトホルミンによる乳酸アシドーシスは、【薬理作用による副作用】です」とご紹介しました。実は、血中尿酸増加にも乳酸が関与しています。

ビグアナイド系薬であるメトホルミンは、肝における乳酸からの糖新生を抑制することにより血糖を下げるため、乳酸が増加します。通常は乳酸の増加に応じて代謝も増加し、乳酸値のバランスは保たれますが、肝での代謝能以上に乳酸が増加した場合や、肝での乳酸の代謝能が低下している場合にはこのバランスが崩れ、乳酸アシドーシスが発現するおそれがあります。

尿酸と乳酸は近位尿細管の尿酸を輸送するトランスポーター(URAT1)で交換輸送されます。メトホルミンの服用により乳酸が上昇すると、近位尿細管の細胞内でURAT1により乳酸が排泄され、かわりに尿酸の再吸収が促進されることにより血中尿酸値が上昇すると考えられます。

また、メトホルミン服用で血糖値が低下したことにより、尿酸値が上昇する可能性があります。

高インスリン血症になると、腎近位尿細管におけるナトリウム再吸収が促進されるとともに、これと共輸送される尿酸の再吸収が亢進します。ところが、血糖値が上昇し、糖尿病を発症すると血中尿酸値は低下します。これは、高血糖に伴う浸透圧利尿、尿細管機能の低下、糸球体濾過量の増加などにより、尿酸の排泄が促されるためと考えられています。

この為、血糖値が下がれば、尿酸の排泄は抑えられ、尿酸値が再び上昇する可能性があります。

【服薬指導/フォローアップのポイント】
☑高尿酸血症・痛風の治療中・既往歴のある患者さんは要注意!
尿酸値が急激に上下すると痛風発作を起こす原因になるため、血糖値および尿酸値を両方コントロールしている患者さんでは特に注意が必要です。
血糖値の推移だけでなく、尿酸値の推移も合わせてチェックするようにしましょう。

<<第64回 低用量アスピリンの胃腸障害はなぜ起こるの?

第62回 SGLT2阻害薬の口渇はなぜ起こるの?>>

研修認定1単位 無料オンラインセミナー

Knowledge

副作用機序別分類を極めよう!

第64回 低用量アスピリンの胃腸障害はなぜ起こるの?...

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。 “副作用の起こる発生機序 3つの分類” 薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?どのような事に活用できるか?具体的に...続きを読む

2024-08-28

第63回 メトホルミンの血中尿酸上昇はなぜ起こるの?...

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。 “副作用の起こる発生機序 3つの分類” 薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?どのような事に活用できるか?具体的に...続きを読む

2024-07-26

第62回 SGLT2阻害薬の口渇はなぜ起こるの?...

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。 “副作用の起こる発生機序 3つの分類” 薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?どのような事に活用できるか?具体的に...続きを読む

2024-06-20

Seminar
Service

グッドサイクルシステムの「薬局業務の効率化」や「サービスの向上」を図る製品サービス

投薬後フォローとスマホ決済 Followcare

Followcare

服薬フォローアップ&オンライン服薬指導対応ツールです。電子薬歴とLINEの連携で二重作業なく服薬フォローアップが行えます。リフィル処方せん・オンライン服薬指導・服薬フォローアップに必要な機能が揃います。

GooCoPOSを見る

保険薬局専用POSレジ GooCoPOS

GooCoPOSは、レセコン接続対応だけでなく、セルフメディケーション税制に対応した保険薬局専用のPOSレジです。正確な現金管理で、未集金管理を1日150円で導入いただけます。

MAPs for PHARMACY DX

MAPs for PHARMACY DX

MAPs for PHARMACY DXは、レセコン・電子薬歴の枠を超えた次世代薬局業務支援システムです。薬局のDXを実現することで時代の変化とニーズの多様性へ対応し、患者の健康をサポートします。

>