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薬局お役立ち情報 - 副作用機序別分類を極めよう!

第51回 NSAIDsによる腎障害はなぜ起こるの?

Tags:  2023-08-07

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!

今回は、NSAIDsによる腎障害についてご紹介します。

まずは、結論から!NSAIDsの腎障害は、主に【副次的な薬理作用による副作用】です。

NSAIDsの主な効果は、炎症がある局所におけるプロスタグランジン(prostaglandin;PG)の産生阻害です。

組織が損傷すると炎症部位で、細胞膜のリン脂質からアラキドン酸が遊離されます。アラキドン酸はシクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase;COX)により、PGへ変換されます。PG自体に発痛作用はありませんが、ブラジキニンなどの発痛物質の疼痛閾値を低下させます。また、局所での血流増加作用や血管透過性の亢進、白血球の浸潤増加など、炎症を増強させる作用を有しています。

NSAIDsは遊離されたアラキドン酸からPGを産生する経路の律速酵素であるCOXの働きを阻害することにより抗炎症・鎮痛作用を発揮します。

NSAIDs による急性腎不全は、『腎前性急性腎不全』です。NSAIDsは、アラキドン酸代謝経路において、シクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することによりプロスタグランジン(PG)産生を抑制します。これにより、PGE2 やPGI2などによる腎血管拡張系が低下し、アンジオテンシンⅡやノルエピネフリンなどの腎血管収縮系が優位となり、腎動脈が収縮し腎血流を減少させると考えられています。重症例では、腎組織に虚血性の変化を引き起こします。

また、もともと腎障害があると、低下した糸球体濾過率を補うため、腎血管収縮系が亢進します。通常はPGが代償的に分泌されて血管を拡張し、腎機能の低下を防いでいます。

しかし、前述したように、NSAIDsを服用しているとPG生成が抑制され、腎臓に血液が十分に供給されなくなり、さらに腎機能を悪化させるおそれがあります。高齢者や脱水等も危険因子です。

【服薬指導/フォローアップのポイント】
☑併用薬に注意
特に、NSAIDsと以下2剤の3剤併用には要注意!
①RAS阻害薬(輸出細動脈収縮抑制→糸球体濾過圧低下)
②利尿薬(体液量低下→腎血流量低下)
⇒「Triple Whammy(三段攻撃)」と呼ばれており、急性腎障害(AKI)の発症リスクが上昇、慢性的な腎機能低下をもたらす可能性も危惧されています。特に、高齢者や CKD ステージ G3b 以降の患者さんにこれら 3 剤の併用を避けることが提唱されているので必要に応じて、処方提案を検討しよう!
⇒利用薬だけでなく、SGLT2阻害薬など利尿作用のある併用薬も注意しよう!

☑腎機能低下者に注意
NSAIDs服用で、腎機能をさらに悪化させる恐れがあります。腎排泄型薬剤ではないので、腎機能低下に合わせた用量設定はありませんが、
 ①服用開始時の腎機能チェック
 ②長期継続服用している場合は、定期的な腎機能チェック
 ③高齢者(加齢による腎機能低下あり)への注意
を忘れずに!

☑リスクの高い患者さんには服薬期間中のフォローアップを!
特にリスクの高い患者さんが服用する際は、検査値の推移だけでなく、服薬期間中の体調変化(「むくみ」、「尿量の減少」、「倦怠感」、「食欲不振」、「吐き気・嘔吐」など)を確認したり、自覚症状が見られた場合には、すぐに連絡するよう事前に伝えておきましょう!

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