第50回 SGLT2阻害薬の血圧低下はなぜ起こるの?
Tags:GooCo 2023-05-24
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2022-01-11以降、休止しておりました『副作用機序別分類を極めよう!』を再開します。月1回程度、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!
初めて、ご覧になる方は、「第1回 副作用機序別分類とは?」から是非ご覧ください!
お久しぶりの今回は、SGLT2阻害薬の血圧低下についてご紹介します。
まずは、結論から!SGLT2阻害薬の血圧低下は、【副次的な薬理作用による副作用】です。
SGLT2阻害薬は、腎糸球体で濾過されるグルコースの再吸収を担うトランスポーターであるナトリウム・グルコース共輸送体-2(sodium glucose co-transporter 2、SGLT2)を選択的に阻害し、尿中へのグルコース排泄を促進することにより血糖を低下させます。
血圧低下は、利尿降圧作用によるものと考えられます。
グルコースが尿中に排泄されることで尿細管内の浸透圧が上昇するため、これを等張に保つためにナトリウムと水の再吸収が減少します。この結果、利尿作用が現れ血圧低下につながると考えられます。(浸透圧利尿作用)
また、再吸収されなかったNa+によってもたらされる尿細管糸球体のフィードバック機構による降圧作用も考えられます。(Na利尿作用)
これらの作用は、腎保護作用にもつながっています。
ダパグリフロジン、カナグリフロジンは糖尿病だけでなく、慢性腎臓病の適応も承認を受けています。ただし、eGFRが低い患者さんでは、SGLT2阻害薬の腎保護作用が十分に得られない可能性があること、また、SGLT2阻害薬投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがあることから、投与の必要性を慎重に判断する必要があります。
尚、利尿作用は、グルコースに依存するので、血糖コントロールができてきたら、落ち着いてきます。
【服薬指導/フォローアップのポイント】
☑併用薬に注意
①利尿剤を服用している患者さん
②降圧剤を服用している患者さん
⇒作用が増強されるので要注意です。必要に応じて併用薬の用量を調整するなど処方提案も検討しよう!
☑脱水に注意
こまめに水分補給をするよう、事前に患者さんへ伝えておきましょう。
特に夏場は要注意!
トイレに行った後、運動前・運動中・運動後、入浴前・入浴後など汗や尿なので水分が排出されるタイミングで水分補給をすれば脱水になる可能性が少なくなります。
☑車の運転に注意
低血糖による運転注意だけでなく、降圧作用や脱水症状により、めまい、ふらつき起きる可能性もあります。特に、血糖コントロール不良な服用初期や上記併用薬がある患者さんでは注意しよう!
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