Communication/コミュニケーション

薬剤師力向上特集

慢性疾患のアドヒアランス向上を目指した服薬指導と薬局・薬剤師のこれからの役割 2

堀 美智子(ほり みちこ)

医薬情報研究所 株式会社エス・アイ・シー取締役/医薬情報部門責任者
薬剤師。名城大学薬学部薬学科卒業・同薬学専攻科修了。名城大学薬学部医薬情報室、帝京大学薬学部医薬情報室勤務を経て、1998年に医薬情報研究所 株式会社エス・アイ・シー設立に参加。1998~2002年日本薬剤師会常務理事。八王子にアンテナショップとして開設した公園前薬局を運営しながら、各種データベースの構築や執筆活動に携わっている。『知らないと怖いクスリと食品の危険な関係!』(マガジンハウス)、『プライマリ・ケアに活かす薬局トリアージ』(じほう)、『薬剤師の読む枕草子』(アルタ出版)など著書多数。


3つの大きな動き

 2014年6月に閣議決定された3つの大きな動きについてお話します。

 

 ひとつは先ほどの「日本再興戦略改訂2014」。民間を活用した健康情報拠点「街のワクワク(WACWAC)プレイス」(仮称)構想が掲載されています。この健康情報拠点には民間企業(コンビニエンスストア、飲食店等)と書かれているだけで、薬局が含まれていません。ここに私は大きな疑問を感じています。

 

 2つ目は「経済財政運営と改革の基本方針2014について」。「薬価・医薬品に係る改革」の中に、「診療報酬上の評価において、調剤重視から服薬管理・指導重視への転換を検討する。その際、薬剤師が処方変更の必要がないかを直接確認した上で一定期間内の処方箋を繰返し利用する制度(リフィル制度)等について医師法との関係に留意しつつ、検討する」とあります。

 

 この文章では、調剤技術料を下げる方針であると読み取れます。そうすると薬剤師が生き残っていくためには何が必要かと言えば、「服薬管理・指導重視への転換」です。

 

 リフィル制度で重要な点をお話します。例えばある高血圧症患者がACE阻害剤を飲んでいたとします。ある日腰が痛くなりました。整形外科に行ってロキソプロフェンが処方されました。ロキソプロフェンは血圧を上げる可能性があります。このとき薬剤師が、患者に「ロキソプロフェンが処方されたので、高血圧症について再受診したほうがいいですよ」とお話するか、ドクターへの相談として「腰痛でロキソプロフェンを服薬してから、ちょっと血圧が上がってきました。ACE阻害剤の量を増やすか、それともロキソプロフェンとの相互作用が少ないといわれているカルシウム拮抗剤への変更についてご検討ください」と言えるかどうか、そういう判断がリフィル制度において重要な点なのです。

 

 3つ目は「規制改革実施計画」です。この中に「医療用検査薬から一般用検査薬への転用の仕組みの早期構築」とあります。今後、白血球や赤血球、CPK、肝機能など49の検査のOTC化が検討されています。これは副作用早期発見のためのスイッチ化も含まれており、薬局が患者さんの負担分で経営できるよう大転換を図っていくための国の指針ともいえます。

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