Communication/コミュニケーション

薬剤師力向上特集

ハイリスク薬の薬学管理指導のチェックポイント1

~精神神経疾患の患者対応

富永 敦子(とみなが あつこ)

株式会社医療経営研究所研究員
薬剤師。東北大学薬学部卒業後、製薬メーカーの研究員、医薬品卸の管理薬剤師、OTC薬の販売、病院薬剤師、薬局薬剤師と、薬剤師としてのあらゆる業務を経験。2008年から医療経営研究所に勤務し、薬局向けの研修や指導を担当している。日本薬剤師研修センター認定薬剤師、宮城県薬剤師会認定禁煙支援・指導薬剤師、NPO法人ふぁるま・ねっと・みやぎ副理事長、宮城県薬剤師会理事、東北大学薬学部非常勤講師(薬学概論)、NPO法人医療教育研究所薬剤師生涯研修担当講師。

うつ病や統合失調症など、精神疾患患者に対する精神神経用剤のリスク管理はどうあるべきなのだろうか。株式会社医療経営研究所研究員・富永敦子先生に、ハイリスク薬の薬学管理の基本を踏まえた患者対応のあり方について、多角的な視点からご教授いただいた。


精神科医療の現状

 

 2012(平成24)年現在の<死因順位別の死亡率(対10万人)>を見ると、1位がん(286.6万人)、2位心臓病(157.9万人)、そして7位自殺(21万人)となっています。自殺者のうちの何割かは精神神経科の患者である可能性があります。

 

 また、医療機関にかかっている患者数は厚生労働省の統計によると、がんや糖尿病を抜いて、精神疾患が一番多く、そのうちの1割は入院しているという数字を示しています。現在の日本において、医療全体に占める精神神経疾患患者の割合の大きさをあらためて認識させられます。

 

医師と薬剤師との連携

 ハイリスク薬を扱う医師と薬剤師は、リスク管理の重責を負っています。両者は、自分の業務を遂行しつつ、お互いをチェックし合い、必要に応じて連携し合うことが、より確実で、密度の濃いリスク管理につながります。

 

 薬剤師から医師へのフィードバックがあってはじめて、一連の医療チームとしての業務進行が完成すると私は考えています。とりわけハイリスク薬を扱う場合には、薬剤師がどう服薬指導したか、患者がどういう症状、副作用などを訴えたかという情報を医師に伝えることで、その後の治療に役立ててもらう。そんな連携プレーが今後の精神科領域では、ますます必要になっていくと思います。

 

精神神経用剤のリスク管理

 日本薬剤師会では、<ハイリスク薬の管理指導に関するガイドライン>を定めています。この中の精神神経用剤に関する要件を踏まえ、私のほうで組み立てたのが図表1のリスク管理方法です。

 

 うつ病と統合失調症については、副作用も幅広くなっていますし、とりわけ「自殺企図のサインに注意」することや、生活習慣などを含め、「適切な服薬指導」をしていくことが重要です。

 

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