Communication/コミュニケーション

薬剤師力向上特集

ハイリスク薬の薬学的管理と服薬指導のポイント

富永 敦子(とみなが あつこ)

株式会社医療経営研究所研究員。薬剤師。製薬会社、病院、薬局勤務などを経て、2008年から医療経営研究所に勤務し、薬局向けの研修・指導などを行っている。宮城県薬剤師会理事、日本薬剤師会編集委員、NPO法人ふぁるま・ねっと・みやぎ副理事長、東北大学薬学部非常勤講師なども兼任。〈GooCo〉のハイリスク薬のコンテンツ作成を担当している。

 投与中に特に注意が必要とされるハイリスク薬の薬学的管理と服薬指導のポイントについて、<GooCo>のハイリスク薬のコンテンツ作成を担当する医療経営研究所の富永敦子先生に指導していただいた。


 ハイリスク薬とは、投与中に特に注意が必要と考えられる性質を持つ薬剤で、治療有効域が狭いという特徴があります。中毒域と有効域が接近し、投与方法・投与量の管理が難しく、体内動態や生理的要因による個人差が大きいため、不適切な使用によって重大な害をもたらす可能性があります。事実、医療事故やインシデントが多数報告されており、適正使用が強く求められています。

 

 ハイリスク薬の服薬指導においては、最初にアウトカムを明らかにすることが大切です。つまり目的や目標を患者さんときちんと見極めることで、服薬や治療を逸脱してしまった場合、どうなるのかきちんと共有することが大事なのです。そしてアドヒアランスの確認に留意し、処方内容が適切であるか確認する必要があります。副作用の患者モニタリングについては、さまざまなコンテンツを<GooCo>で作成中ですので、それらを参考にすることをおすすめします。副作用発生時の対処方法についても、部分的にコンテンツに入っておりますので、ぜひ患者さんにお話していただきたいと思います。服薬の効果は、まず患者さんの自覚症状から確認することが大切です。一般用医薬品やサプリメントなどを含めた服用薬や食事との相互作用については、個々の薬剤によってかなり異なりますし、食材の種類も今後ますます多様になってきますので、こうした点に留意して確認をしてください。観察計画・ケア計画に関しては、時系列で見ていく薬歴が求められています。次回はどういう点に注目すべきか、薬歴としてきちんと記載することが大切です。

 

 医薬品のインターネット販売の解禁が注目されるなか、薬剤師の存在を示していくためにも、薬学的管理は今後ますます重要になってきます。患者情報の収集と服薬支援・指導は、ネット販売ではできない薬剤師の役割といえるので、ぜひ<GooCo>のコンテンツを用いて、効率よく薬歴を記載してください。とはいえ、薬学的管理だけでは薬剤師として不十分だと私は思っています。生活習慣やアドヒアランスの悪い患者さんにはどういったサポートが必要なのか、あるいは検査データの読み取り方がわからない患者さんをいかにサポートするかといった点も大切です。薬剤師の本領である薬物治療の効果の評価と、副作用の評価のフィードバック、医師へのフィードバックを適切にできるようにして、私たち薬剤師の仕事が社会的にも認められることを願っています。

 

(※この記事は、2013年5月18日に開かれた「第3回 薬剤師力向上セミナー」(弊社主催)の内容を要約したものです。)

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