第59回 エゼチミブの消化器症状はなぜ起こるの?
Tags:GooCo 2024-03-25
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どんぐり未来塾です。今回はエゼチミブの消化器症状についてご紹介します。
結論から!エゼチミブの消化器症状は、【副次的な薬理作用による副作用】です。
小腸コレステロールトランスポーター(NPC1L1)阻害薬であるエゼチミブは、小腸壁に存在するNPC1L1に結合することによって、小腸壁細胞での食事性及び胆汁性コレステロール及び植物ステロールの肝臓への吸収を選択的に阻害します。その結果、肝細胞内のコレステロールプールが減少し、それを補うために肝臓のLDL受容体の合成が亢進され、肝臓に取り込まれるLDLコレステロールが増加し、血中のLDLコレステロールが減少すると考えられています。
胆汁はほとんどが小腸壁細胞で肝臓に再吸収されますが、少量が大腸にそのまま流れ落ちることで、胆汁成分が大腸の蠕動を促進します。エゼチミブにより、胆汁性コレステロールの肝臓への吸収が阻害されることで、下痢を起こす可能性があります。
また、血清脂質(コレステロールや中性脂肪)は、腸内細菌叢の変化に関与しています。
コレステロールの排泄が促進することで、腸内細菌のバランスが崩れ、便秘や下痢などの症状が現れる可能性があります。
【服薬指導/フォローアップのポイント】
☑服用開始時の説明を忘れずに!
エゼチミブの消化器症状は、頻度の高い副作用です。ほとんど軽度なもので重篤なものはありませんが、患者さんにとっては不快な副作用です。
体が薬に慣れてくることで改善することが多い症状ですが、自己判断で服薬を中断することのないよう、事前にしっかりと説明しておくようにしましょう。
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