第58回 スピロノラクトンの女性化乳房はなぜ起こるの?
Tags:GooCo 2024-02-26
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引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!
今回は、「スピロノラクトンによる女性化乳房」についてご紹介します。
まずは、結論から!スピロノラクトンによる女性化乳房は、【副次的な薬理作用による副作用】です。
抗アルドステロン性利尿・降圧剤であるスピロノラクトンは、アルドステロン拮抗作用により、ナトリウム及び水の排泄を促進し、カリウムの排泄を抑制することで効果を発揮します。(詳細は、添付文書 薬効薬理の項をご確認下さい)
しかし、スピロノラクトンはアルドステロン受容体だけでなく、よく似た構造の「アンドロゲン(男性ホルモン)」や「プロゲステロン(女性ホルモン)」受容体にも結合してしまいます。そのため、長く使い続けていると、男性では女性化乳房、女性では月経不順や多毛などの副作用を起こすことがあります。
【服薬指導/フォローアップのポイント】
☑服薬期間中の体調変化確認を!
投与初期から発現することは少ないですが、利尿・降圧剤の服用が原因でこのような症状がでるとは、患者さんは思いつかないと思います。継続して服用している患者さんへは注意が必要です。
⇒性ホルモン関連の副作用の為、男性と女性では発現しやすい症状が異なります。また、患者さん自身から訴え難い症状でもあります。
相手に合わせた情報提供と体調変化の確認をおこないましょう!
☑女性化乳房が疑われた場合の対応は?
乳房のしこりや乳頭の痛みなどが主な症状で、乳房を押すと痛い、乳頭が服にすれだけでも痛いという訴えで気付かれることも少なくありません。
まれに持続する例もみられますが、通常、減量又は中止によって減退ないし消失します。
⇒ちなみに、エプレレノンはアルドステロン受容体への選択性が高くなっています。
そのためエプレレノンはスピロノラクトンで見られるような性ホルモン関連の副作用が少ないのが特徴です。
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