電子薬歴GooCoの株式会社グッドサイクルシステム
CORPORATE SITE

薬局お役立ち情報 - 副作用機序別分類を極めよう!

第48回 プロトンポンプインヒビター(PPI)による下痢はなぜ起こるの?

Tags:  2021-11-26

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性の分類されるのか?
どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!

今回はプロトンポンプインヒビター(PPI)による下痢についてご紹介します。

まずは、結論から!PPIによる下痢は、【副次的な薬理作用による副作用】です。

PPIの期待される薬理作用について確認しておきましょう。PPIはプロトンポンプ(H+,K+-ATPase)を阻害します。胃粘膜壁細胞のプロトンポンプを阻害することにより、胃酸分泌抑制作用を示します。

PPIによる下痢は膠原線維性大腸炎(collagenous colitis)を介して起こる可能性が考えられます。

collagenous colitisは慢性的な水溶性下痢を特徴とします。
内視鏡では大腸粘膜の異常は認められないのですが、病理組織学的に、大腸粘膜上皮直下に10μm以上の膠原線維帯の肥厚(コラーゲン・バンド)を認めます。
中年以降の女性に好発し、 原因として遺伝的要因、薬剤(PPI、 非ステロイド性消炎鎮痛薬、アスピリン、チクロピジンなど)、自己免疫疾患、腸管感染症,一酸化窒素などが示唆されています。

PPI 服用によって collagenous colitis が発症する機序として、大腸上皮細胞にあるプロトンポンプを阻害することにより大腸粘膜分泌の組成やpH が変化し、免疫反応が誘導されることで起きると考えられます。

ランソプラゾールの添付文書には、「下痢が継続する場合、collagenous colitis等が発現している可能性があるため、速やかに本剤の投与を中止すること。腸管粘膜に縦走潰瘍、びらん、易出血等の異常を認めることがあるので、下血、血便が認められる場合には、適切な処置を行うこと。」と記載されています。

下痢症状が続く患者さんがいた場合は、薬剤性collagenous colitisの可能性を疑うようにしましょう。

PPI服用で発症するcollagenous colitisは薬剤開始1~2ヵ月後に多く、その大部分は、PPI服用を中止することで改善したと報告されているよ。
早期発見の為にも、服薬期間中のフォローアップが重要だね!

<<第49回 副腎皮質ホルモン剤の高血糖はなぜ起こるの?

第47回 ラロキシフェンの静脈血栓塞栓症はなぜ起こるの?>>

研修認定1単位 無料オンラインセミナー

Knowledge

副作用機序別分類を極めよう!

第66回 プレガバリンのめまい・傾眠はなぜ起こるの?...

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。 “副作用の起こる発生機序 3つの分類” 薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?どのような事に活用できるか?具体的に...続きを読む

2024-11-05

第65回 NSAIDsのアナフィラキシー様症状はなぜ起こるの?...

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。 “副作用の起こる発生機序 3つの分類” 薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?どのような事に活用できるか?具体的に...続きを読む

2024-09-25

第64回 低用量アスピリンの胃腸障害はなぜ起こるの?...

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。 “副作用の起こる発生機序 3つの分類” 薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?どのような事に活用できるか?具体的に...続きを読む

2024-08-28

Seminar
Service

グッドサイクルシステムの「薬局業務の効率化」や「サービスの向上」を図る製品サービス

投薬後フォローとスマホ決済 Followcare

Followcare

服薬フォローアップ&オンライン服薬指導対応ツールです。電子薬歴とLINEの連携で二重作業なく服薬フォローアップが行えます。リフィル処方せん・オンライン服薬指導・服薬フォローアップに必要な機能が揃います。

GooCoPOSを見る

保険薬局専用POSレジ GooCoPOS

GooCoPOSは、レセコン接続対応だけでなく、セルフメディケーション税制に対応した保険薬局専用のPOSレジです。正確な現金管理で、未集金管理を1日150円で導入いただけます。

MAPs for PHARMACY DX

MAPs for PHARMACY DX

MAPs for PHARMACY DXは、レセコン・電子薬歴の枠を超えた次世代薬局業務支援システムです。薬局のDXを実現することで時代の変化とニーズの多様性へ対応し、患者の健康をサポートします。

>