独自のユニットケアとケアプランで“要介護”卒業をめざす
医療法人昭友会 介護老人保健施設いづみケアセンター(埼玉県比企郡滑川町)
2019-11-08
緑豊かな埼玉県比企郡滑川町の国営武蔵丘陵森林公園の近傍にある医療法人昭友会介護老人保健施設いづみケアセンター。ユニットケアを意識した施設の構造がユニークで、独自の「いづみ式ケアプラン」という方式を採用し、手厚いリハビリテーションにより要介護状態からの“卒業”をめざしている。


入所者と職員間のコミュニケーションが密に

医療法人昭友会の介護老人保健施設いづみケアセンター(定員100人)は、埼玉県比企郡滑川町の国営武蔵丘陵森林公園を近くに臨める高台にある。通所リハビリテーション(同45人)、ショートステイ、訪問リハビリテーションを併設し、近在の居宅介護支援事業所と連携して、在宅復帰・在宅生活支援のための総合的な施設となっている。1997年に開設され、同法人内の埼玉森林病院との緊密な連携のもと、介護保険制度施行以前から地域のリハビリテーション機能を担ってきた。

自然の丘陵を活かし、ユニットケアを行うことに配慮した結果、中庭を建物と廊下が取り巻く、独特の多角形構造となっている。「居住棟には2階に4ユニット、3階に3ユニットの計7ユニットあります」と語るのは、同法人理事・施設長の内田三千則さん。ユニットケアの考え方が提唱され始めたのは1999年頃なので、それを先取りしていたことになる。各ユニットの定員は13~15人で、介護保険制度で定める厳密な意味でのユニット型(定員10人)ではないが、同法人創業者の前理事長・工藤浩三さんが、小規模のケアにこだわり、その考えを反映させたものだ。

「最初のころは、全体が見渡せず、誰がどこにいるのかわからなくなるなど戸惑いもありましたが、個室を多くしたおかげでご入居者の間に落ち着いた雰囲気が生まれました。さらに、各ユニットに交流スペースを置いたことで、ご入居者と職員との密接なコミュニケーションも可能になりました」と、内田さんはそのメリットを説明する。

広い中庭は折々の草木に触れられ、入居者の憩いの場となっている。その一角では、生きがいづくりで畑仕事も行われている。


入居者のしたいことを実現するケアを推進

内田さんは理学療法士として同施設に開設当初の2年間勤務した後、別法人へ転職。2005年に同施設に復職した。「外の空気に触れた自分をわざわざ呼び戻してくれた」と感じ入り、それ以来、同施設の組織改革に邁進してきた。

「自分の親を入居させたい、年をとったら自分が入居したいと思える施設にしよう」と職員に問いかけ、意識改革とサービスの質向上に取り組んでいる。

ケアプランも独自の方式を採用している。「いづみ式ケアプラン」といって、「サポートプラン」と「スマイルプラン」の2本立てで作成するものだ。サポートプランは身体的な機能回復訓練のプランで、各セラピストが専門的な見地から作成する。一方、スマイルプランは入居者がやってみたいことの希望を聞き取り、その実現を目標として設定。サポートプランによる身体機能の回復と合わせ、多職種が連携し、目標達成のために必要な条件を整えていく。「墓参りに出かけたい」「外食がしたい」などの希望の実現を目標とすることで、出口が見えなくなりがちな機能訓練に対して、入居者の動機づけが強くなるのだという。

「当センターは、リハビリのための施設です。病院から引き受けた方を在宅に復帰させ、最終的には要介護状態から“卒業”するまで一貫して取り組みたいのです」と、力強く語る内田さん。今後は、卒業後のお年寄りのケアもできるデイサービスなどの事業展開を考えていきたいという。


●医療法人昭友会 介護老人保健施設いづみケアセンター
〒355-0807
埼玉県比企郡滑川町大字和泉873
TEL:0493-56-6123


(介護ビジョン 2019年9月号)

 

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