[改定情報] DPC病棟から地ケアへの入棟で入院料を統一へ 入院分科会
診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会(令和元年度第9回 10/3)《厚生労働省》
2019-10-07
 DPC/PDPS(包括医療費支払制度)対象の一般病棟から地域包括ケア病室に患者が移行する際、移行先が別病棟か同一病棟内かで算定する診療報酬が異なるのは「一物二価」にあたる-。10月3日に開催された、診療報酬調査専門組織・入院医療等の調査・評価分科会では、複数の委員がこうした問題意識を示した。病床規模が大きい病院ほど、自院の一般病床からの転棟患者割合が高いこともわかり、地域包括ケア病棟の役割分担や施設基準の整理などについて、中央社会保険医療協議会での議論を求める声も上がった。
 
 
◆別病棟は地ケア入院料、同一病棟内はDPC/PDPSを継続算定
 
 DPC対象病院で患者が一般病棟での急性期の治療を終え、地ケア病棟・病室に移る際、地ケア病棟や、療養病棟にある地ケア病室のように移行先が別病棟の場合の診療報酬上の取り扱いは、▽「地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)」を算定▽リハビリテーションは入院料に包括されるため別途算定は不可▽「急性期患者支援病床初期加算」は算定可―となる。これに対して、同一病棟内の地ケア病室への転室は、▽入院料は引き続きDPC/PDPSで算定▽リハビリは出来高で別途算定▽「急性期患者支援病床初期加算」は算定不可―と扱いが異なる(p98参照)。
 
 委員の意見は、「施設基準が同じなのに入院料や加算の扱いが異なるのはいかがなものか」(松本義幸委員・健康保険組合連合会参与)、「同じサービスは1つの価格にするべきだ」(神野正博委員・社会医療法人財団董仙会理事長)など、一本化すべきとの見解で一致した。
 
 
◆自院一般病床からの入棟は400床以上、自宅からは200床未満で最多
 
 ところで地ケア病棟(病室含む)は、▽急性期治療を終えた患者の受け入れ(ポストアキュート機能)▽在宅療養患者の急変時の受け入れ(サブアキュート機能)▽在宅復帰支援―の3つの役割を担う病棟と位置づけられている。だが、実際は入棟患者の43.5%を自院の一般病床からの転棟が占めており(p94参照)、分科会で問題視されていた。
 厚生労働省がこの日の分科会に提出した追加資料によると、自院の一般病床からの入棟患者の割合は、許可病床数200床未満・30.7%、200-400床未満・57.0%、400床以上・64.7%と、病床規模に比例して上昇。逆に自宅等からの入棟患者は、200床未満・47.1%、200-400床未満・31.6%、400床以上・28.6%と、200床未満が最も高いことが明らかになった(p95参照)。
 
 病床規模が多いほど、自院の一般病床からの入棟割合が高い点について、松本委員は、「地方で他に施設がない場合は止むを得ないが、もう少し機能分化を進めてほしい」と要望。ポストアキュートとサブアキュートで、評価を分けるべきとの意見もあった。池端幸彦委員(医療法人池慶会理事長)は、「200床未満は在宅療養支援病院、初診料の加算(機能強化加算)も取れる地域包括ケアの本家本元。400床以上で自院のポストアキュートが多くなるのは止むを得ず、同じ地域包括ケアであっても2種類あると思う。その点を中医協でよく議論していただきたい」と述べた。
 
 
◆18年度改定では200床未満対象に地ケア入院料1・3を新設
 
 実は、地ケア病棟の役割分担が論点になったのは今回が初めてではない。前回改定時にも、急性期の治療を終えたポストアキュート患者よりも、自宅から入棟するサブアキュート患者のほうが手厚い医療が必要だとして、評価の区分が検討課題に挙がったことある。一方、400床以上の病院(18年度改定以前は500床以上)については、地域における医療機能の分化を阻害することがないよう、地ケア病棟の届出が1病棟に制限されているが、前回改定時も一部病院関係者から、地域の基幹病院が地域の医療ニーズよりも、経済性を優先して地ケア病棟を設置しているケースがあるなどとして、今回と同様の問題提起があった。
 
 こうした声への回答として、18年度改定では、サブアキュート患者の受け入れや在宅医療の提供などの実績要件を定めた「地ケア病棟入院料1、3」を新設。その算定対象施設は、いわゆる「かかりつけ医機能」を担うとされる200床未満の施設に限定され、200床を境に診療報酬上での評価を区分する格好になった。
 
 「地ケア病棟入院料1、3」では、4項目中2項目を満たせばよい在宅医療実績要件について、届出施設の選択が一部項目に集中している点も問題視されている。具体策の検討は、中医協・総会に舞台を移すことになるが、地ケア病棟における機能分化についてさらに踏み込むことになるのか、今後の動向を注視したい。

 

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