【NEWS】[医学研究] 休止の卵母細胞を体外作製
九州大
2019-06-11
九州大学の林克彦教授らの研究グループは5月27日、マウスの多能性幹細胞であるES細胞から、これまで誘導することができなかった休止状態の卵母細胞を、体外培養下で作製することに成功したことを発表した。

これまでに同研究グループでは、ES細胞を用いて卵子を作製する手法を開発したが、雌マウスの卵巣で長期間にわたり生殖能力を担保するために貯蔵されている、休止状態の卵母細胞は誘導できなかった。同研究では、人工的に作製した卵子と生体マウスの卵子の形成過程を詳細に比較することで、体外培養系では発現量が足りない遺伝子や、不足している環境因子を見つけ出した。

こうして見つけた遺伝子の発現誘導や、生体内で発生していると考えられる酸化ストレスを、低酸素培養によって再現し、体外培養系をマウスの卵巣内の環境により近づけることで、休止状態の卵母細胞を作製することに成功した。

この研究の成果により、休止状態の卵母細胞を培養下で作製できるようになったことから、ヒトを含めた哺乳類の雌における繁殖能力の長期的な維持メカニズムといった生物学的に重要な課題にアプローチしやすくなったと同時に、早期閉経などの不妊原因の究明や治療方法の開発への貢献が期待されるという。

(医療タイムス)

 

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