Q.「短時間正社員制度」の仕組みや運営について教えてください。
2019-06-11
Q.
「短時間正社員制度」の仕組みや運営について教えてください。

私は株式会社で居宅・訪問介護やグループホーム、サービス付き高齢者住宅等の施設介護、介護タクシー等の事業を行っています。従業員数はパート勤務も含めて、グループ全体で50名を超えています。最近、連携する病院で導入している「短時間正社員制度」について話を聞きました。当社では基本的に1週間40時間の法定労働時間で規定された正社員と、時間給のパート社員だけの社員構成です。

ただ、「短時間正社員制度」を導入する当該病院では離職率が極めて低下したと聞き、女性が多い職場だけに当社でも導入を検討したいと考えました。

「短時間正社員」の労働時間については、適用する社員の希望に応じて、事業所が恣意的に決定することができるのでしょうか?基本的な仕組みや運営の仕方について教えて下さい。

(関西中堅都市・民間介護事業者:代表取締役・ケアマネジャー・介護福祉士・48歳)


A.
ライフスタイルやライフステージに対応し、多様な働き方を目指すもの

「短時間正社員制度」は“働き方改革”を進める厚生労働省が、各事業所や企業等に推奨している制度です。個々の従業員のライフスタイルやライフステージに合わせ、多様な働き方を目指すもので、出産・育児や介護等の制約により就業ができなかった人たちに、就業の機会を与えるために導入されたものです。基本的には「期間の定めのない労働契約(無期労働契約)」であり、「1週間の所定労働時間はフルタイム職員よりも短く設定」されます。一方で、「1時間当たりの賃金、賞与、退職金の算定方法はフルタイム職員と同じ」です。勤務時間が短い分、フルタイム職員よりも給与は低くなりますが、それ以外はフルタイム職員と同じです。

それを前提として、個々の職員の事情を配慮し、事業者は自由に労働時間を設定できます。極端なケースでは午前中のみや、午後の1時から4時までなど究極の時短勤務も可能かと思いますが、夜勤等が発生する介護事業所の介護福祉士、看護師等の場合は、なかなか調整がつかず、職種によっては簡単ではないと思われます。2015年の介護保険制度の改正により、育児短時間勤務職員を常勤とする場合の要件が「32時間から30時間に引き下げられた」ことから、現在では、一律「30時間」を「短時間正社員制度」の目安にしている介護事業所・病院が多いようです。

「30時間」という勤務時間の枠組みの中で、育児や介護等の負担を抱える介護職員は、「午前8時半から4時半」といった夕方までに自宅へ帰れる「働き方」を希望される職員が多いと思われます。子どもがいる病院勤務の女性の医師も、夕方4時~4時半頃に帰宅する「働き方」が一般的です。

また、「短時間正社員制度」を運用する場合には、(1)一時的にフルタイム正職員から短時間正社員への移行(2)正社員から短時間正社員へ恒久的に移行(3)パートタイムから短時間正社員へ恒久的に移行-等、幾つかの選択肢を職員に提示することも大事です。

ただ言うのは簡単ですが、前述したように、慢性的な人手不足に悩む小規模介護事業所の場合、すぐに導入するのが難しい部署もあります。拙速ではなく、導入可能な職種から徐々に、多様で柔軟な勤務形態を準備して頂くスタンスで良いのではないかと思います。

(2019年6月度編集)
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