【NEWS】[医療提供体制] 開業医も新型出生前診断、施設拡大へ
日産婦が要件大幅緩和
2019-03-14
妊婦の血液から胎児のダウン症などの染色体異常の可能性を調べる「新型出生前診断」について、日本産科婦人科学会(日産婦)は2日、理事会を開き、実施施設に求める条件を大幅に緩和する指針改定案を決定した。これまでは大病院が中心となって検査を行ってきたが、産婦人科の開業医でも研修を受ければ実施できるようにする。日産婦は意見公募や関連学会の意見聴取を経て、6月にも改定に踏み切る方針だ。

新型出生前診断は国内では2013年に始まった。命の選別につながるとの批判があり、十分なカウンセリングが必要だとして、日産婦と日本人類遺伝学会などは専門医の常勤など厳しい条件を満たす施設を認可する仕組みを設けた。

現在認可されているのは全国の92施設。しかし、無認可のクリニックが多くの妊婦を集めており、カウンセリングの不十分さも指摘されているため、一定の質を保った認可施設を増やす必要があるとの声が産婦人科医から上がっていた。日産婦の藤井知行理事長は「現状を少しでもよくするため改定を行う」と述べた。

改定案では、従来の基準を満たす施設を「基幹施設」と位置付ける一方、日産婦が指定する研修を受けた産婦人科医がいる施設を「連携施設」として新たに認可する。関係者によると、当面100施設程度が認め
られる可能性がある。

従来は検査の前後にカウンセリングを行う必要があったが、連携施設では簡易な「検査の説明と情報提供、妊婦の同意」でもよいとする。検査で染色体異常の可能性が判明した場合は、基幹施設が改めてカウンセリングを行う。また、これまでは染色体異常のある人の育ち方や支援体制に詳しい小児科医の常勤が必要だったが、連携施設では必要に応じて小児科医が妊婦と面接する「常時連携」を容認する。

日産婦は昨年、患者団体関係者や小児科医らが参加する委員会を設置し、指針改定を議論してきた。関連学会には、カウンセリングの質が保てないなどの反対意見も強く、改定案に合意が得られるかは不透明だ。

実施施設でつくる団体によると、開始から5年半で6万5000人以上が検査を受け、異常が確定したケースの9割は人工妊娠中絶を選んだ。


「相談窓口、整備を」日本ダウン症協会

新型出生前診断の指針改定の動きを受け、日本ダウン症協会が出したコメントの主な内容は次の通りだ。

「検査の進化や実施について否定はせず、検査を受ける、受けないに関する妊婦やカップルの個別の判断に対して、是非の表明は行いません。ダウン症のある方や家族が生きづらさを感じるとしたら、『障害』によるのではなく『社会的障壁』によるものだと思います。検査の運用が社会的障壁を強化しないよう望みます。検査機関でもなく日本ダウン症協会でもない、第三者的な相談窓口の整備が絶対的に必要だと考えます」


(医療タイムス No,2390)

 

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