医療IT最前線 第57回
問診票の見直し
2018-12-05
問診票の内容の充実を図るためには、受付スタッフの「傾聴力」や「質問力の向上」と、問診票そのものの「用紙の改善」が必要です。


問診票は何のために必要なのか

そもそも問診票は、患者さんの訴え(主訴)や、既往歴、禁忌薬、アレルギー、妊娠の有無などを事前に把握するために、多くの診療所で利用されているものです。適切に問診が行われることで、医師は素早く診察に入ることが可能です。カルテの主訴の記載も充実したものになります。

事前に問診を十分に行うことで、「スムーズな診療」ともに「診療時間の短縮」が見込めます。このように、まずは「問診票はなんのために必要なのか(大切なのか)」をスタッフに説明することが大切です。


項目ごとの「意図」と「リスク」を伝える

また、受付スタッフは、問診は看護師の仕事で、私たちの仕事ではないと思っているかもしれません。多くのスタッフは、問診は医療行為であり、受付はそこまで踏み込んではいけないと思っているようです。

この考え方を見直すためには、診療所の中で「問診は受付の仕事、医療資格は特に必要ない」と明確に定義する必要があります。また、いきなりやらせるのではなく、事前に問診の仕方を教えてください。具体的には、項目ごとに丁寧に、「意図」と内容が漏れてしまうことによる「リスク」を説明すると良いでしょう。特にリスクについては、一例ですが、「妊娠の有無を確認しないことで、妊婦さんに出してはいけない薬が出てしまう」ということを説明します。


「傾聴」トレーニング

さらに、問診票の内容を充実させるためには、「傾聴」トレーニングも重要です。問診票は患者さんのプライベートな情報を聞き出すため、患者さんの立場にたって質問することが大切です。書きにくい内容もあると思いますので、相手の立場に立って優しい言葉で確認する必要があります。その際、安心して話しやすい雰囲気を心がけると良いでしょう。受付スタッフが良い質問者になれるように、「聴くトレーニング」が必要なのです。

院内でトレーニング行う場合は、看護師さんを講師に、患者さんへの「傾聴」のポイントについて教わると良いでしょう。


問診票の内容の見直し

問診のモレやヌケを無くすためには、問診票を患者さんが書きやすいようにするとともに、その内容をどのようにカルテに反映するかを考えて見直すと良いでしょう。充実した主訴を導くために、「いつ」「どこが」「どんな症状で」「原因は」と細かく設問を設定し、あらかじめ選択項目を設定する「選択形式」をとっている診療所が多いようです。

「今日はどうされました?」というざっくりした設問に比べ、患者さんが書きやすく手間も少ないため、より具体的で整理された問診内容となることでしょう。また、こうすることで、問診票とカルテの主訴部分がリンクして行くのです。充実した問診内容となることで、診察室で医師が、改めて聞き直すことを減らす効果があります。スムーズに主訴の中心にたどり着けるため、時間が短縮されるのです。


問診の勉強会で受付スタッフのレベルアップを図る

このように、問診内容の充実を実現するためには、院内で取り組むことが多くあるため、複数回、定期的に勉強会を開いて行うと良いでしょう。その際に、「問診票の改善」と限定的に考えるのではなく、「受付スタッフ全体のレベルアップ」を図ることを目的にすることが成功の秘訣です。

大西 大輔

 

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