地域の介護事業者との住み分けで地域包括ケア体制を構築
医療法人社団八千代会 サービス付き高齢者向け住宅「メリィデイズ」(広島県安佐南区)
2018-08-10
高齢者にとって、入院をしたことで、それまで暮らしていた施設や自宅に戻れなくなる、という話は珍しいことではない。医療法人社団八千代会が開設したサービス付き高齢者向け住宅「メリィデイズ」は、「住み慣れた場所で最期まで」をかなえるために、入院後の生活も見据えたサービスを提供している。


住み慣れた“家”に帰れるようリハビリに注力

JR広島駅から車で30分程度の丘陵地帯にある西風新都は、1994年の広島アジア大会の開催を機に開発が行われた新都市。そこに、2018年3月に開設されたのが、サービス付き高齢者向け住宅「メリィデイズ」(204室)だ。運営を手がけるのは、医療法人社団八千代会。同法人は、92年に広島県安芸高田市に八千代病院を開設したのを皮切りに、広島市内を中心にサ高住や高齢者複合施設を展開している。

同法人では、運営するサ高住や有老の入居者が病院に入院した後に、身体状態が入院前の状態まで回復していなくても元の施設に戻れるような仕組みを摸索。八千代病院で退院前にリハビリを行い、早期回復・重度化予防に取り組むほか、機能回復型に特化したサ高住「メリィハウス八木せせらぎ公園」(同市安佐南区)に退院後入所し、リハビリを行った後、元の施設に戻るようにしている。「機能回復型のサ高住ができたことで、他のサ高住や有老ではケアできなかった方を受け入れられるようになりました。その結果、施設の稼働率が80%台から90%台後半まで向上。リハビリが経営に貢献すると実感しています」と、同法人常務取締役の木村正幸さんは話す。

今回、「メリィデイズ」を新たに開設したのも、中重度者への対応を強化したいという同法人の狙いがある。「『メリィデイズ』の近くにある『メリィハウス西風新都』には診療所も併設されていましたが、医療依存度が高い方は病院か別の施設に行かざるを得ませんでした。八千代病院と『メリィハウス八木せせらぎ公園』でのリハビリに注力した取り組みがうまくいったことから、西風新都にもリハビリ機能を持つ病院としてのメリィホスピタルとともに、中重度者の方を受け入れられる『メリィデイズ』も開設したのです」


病院を持つ強みを活かした事業展開を図る

「メリィデイズ」は、メリィホスピタル(199床)の入る建物の上層階にあり、「病院の上」に住むという安心感を演出している。「メリィデイズ」の入居者は同院のリハビリルームを利用して、リハビリを実践。当然リハビリ専門職も常駐しているので、質の高いリハビリが受けられる。

建物内には、世界各国の衣装や玩具などを展示しているスペース「世界の入り口」や、高麗カフェ「スラ.」、メリィ・メディカルフィットネスなども設置されており、地域の人も肩肘張らずに訪れることができる。ここには、同法人の姜仁秀理事長の「もてなしの心をテーマに開設した」という思いが込められている。

大型の施設を開業することは、地域の他の事業者との競争を招きかねないが、その意図はまったくないと、木村さんは強調する。中重度者や退院直後の状態が安定しない人は同法人が受け入れることで、他の介護事業者には要介護度が低い人のケアに注力してもらうなど、住み分けを図ろうとしている。

病院を持つ強みを活かした介護事業の展開は、地域全体の介護力のアップにもつながっているという。「八千代会グループがあることで、地域包括ケアが達成できると言っていただけるように、今後も地域の介護事業者の方と連携を進めていきたいです」


●医療法人社団八千代会 サービス付き高齢者向け住宅 「メリィデイズ」
〒731-3167
広島市安佐南区大塚西3-1-20
TEL:0120-468-800

(ケアビジョン 2018年6月号)

 

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