利用者の“生きがい”再発見が地域づくりと未来につながる
株式会社オリジン デイサービスセンター「はた楽でい」(愛知県豊橋市)
2018-07-13
ユニークな取り組みで、利用者の笑顔を引き出し、生きがいをサポートするデイサービスセンター「はた楽でい」。リハビリに楽しさもプラスして利用者の満足感を高めることで、家庭を穏やかにすることも意図している。講師を招いた教室、大学での講義、イベントなどを通じて、地域に笑顔を広げている。


自分らしさを取り戻す楽しいリハビリを提供

愛知県豊橋市は、自動車産業と農産物の生産額が全国トップクラスという、工業と農業が共存するまち。同市にある「デイサービスセンター はた楽でい」では、地域の人々を自然に巻き込みつつ、一味違うサービスを提供している。

運営するのは、介護事業とメディカル事業を中心に展開する株式会社オリジン。「私たちがめざすのは、笑顔があふれる世界。利用者と家族、地域、そしてスタッフの幸せのためになるサービスを常に模索しています」と、代表取締役の元吉伸幸さんは語る。

特徴的なのは、利用者やスタッフの意見を取り入れた独自のサービス創出。「時間を有効に使いたい」という利用者の声に応え、1日滞在型とは別に、半日型のリハビリ特化型デイサービス「グッドリハ」を2011年に開設。さらに、利用者とその家族からの要望やスタッフの思いをくみ取り、「生きがいの再発見と楽しさを提供する」ためにその翌年に開設したのが、「はた楽でい」だ。

「人はリハビリが必要な状態になると、どこか諦めてしまったり、リハビリ自体が目的になってしまいがち。そうではなく、自分らしい人生を再び手にしてほしいのです。『はた楽でい』なら、それが可能になると考えました」と、元吉さんは言う。

そのため施設では、利用者から「元気になったら、本当は何をしたいのか」といった思いを聞き、大切にしている。孫と遊びたい、趣味をしたいなど、何でもいい。「やりたいことが明確になると、意欲や能力を呼び覚ませます。諦めていた釣りを、今は奥様と一緒に楽しんでいる方もいらっしゃいます」と、チーフマネージャーの淺井康史さんは笑顔で話す。


積極的に地域や大学へ福祉の魅力を伝える

「はた楽でい」の一日は、今日は何をするかを利用者が自分で決めることから始まる。施設内の求人に応え、何かを教えたり、見学者を案内するといった作業を選び、仕事感覚で行うことで、施設内で発行している通貨を対価として得られる。通貨を使って、カラオケなどで遊んだり、パンやクラフトづくりなどの習い事を楽しめるという仕組みだ。

通貨が減ってくると、利用者は「仕事をしよう」と思い、自発的に働き出すという。また、仕事自体がリハビリや脳トレにもつながっている。「利用者がここで自分らしく過ごすことで、家庭でも穏やかに暮らせるようになったという声をいただいています」と淺井さんは効用を語る。

習い事は、地域で教室を開いている講師に依頼しており、本気で学びたい利用者が、講師の教室に通うケースも増えている。「地域の人々に施設のことを知ってもらうとともに、利用者が地域に出る足がかりとなっています」

また年2回、施設に地域の人々を招いたパン教室を開催するほか、中学校で福祉の仕事を紹介したり、近隣の大学で講義をする機会も多くなっている。「若者は未来の仲間。福祉や介護の重要性や楽しさを伝えていくのも私たちの仕事です」と、淺井さん。

さらに、広島大学と歩行の補助器具などを共同開発するなど、介護で地域に笑顔を広げつつ、既存の枠に縛られない社会貢献にも取り組んでいる。



●株式会社オリジン デイサービスセンター はた楽でい
〒440-0826
愛知県豊橋市大井町140
TEL:0532-69-3755


(取材・文/古田由美子 撮影/鈴木健司 /介護ビジョン 2018年5月号)

 

twitter

facebook

ページトップへ戻る