施設間のネットワークを構築安心して暮らせる地域をつくる
社会福祉法人敬養会 特別養護老人ホーム「香楠荘」(福岡県福岡市)
2018-06-13
福岡市早良区で介護施設やデイサービス、居宅介護支援事業などを手がける社会福祉法人敬養会では、デイサービスセンターを開放したカフェを開催。「いつまでも安心して暮らせる地域」づくりをめざして、地域住民と介護施設・事業所の垣根をなくす取り組みを行っている。


行政を巻き込むことで地域連携がスムーズに

社会福祉法人敬養会は、特別養護老人ホーム香楠荘やショートステイ、デイサービス、ケアハウス、居宅介護支援事業を展開している。

香楠荘がある福岡市早良区の南部では、2013年に「さわら南よかとこネット」というネットワークが発足した。当時、同地域にはケアマネジャーが少なかったため、区内の別の地域のケアマネが担当せざるを得ず、利用者は自宅から離れた介護施設に入所することが多発していた。

そこで、同地域の介護事業所の職員が発起人となり、「いつまでも住み慣れた場所で安心して生活し続けられる地域」にするため、各介護施設とケアマネ、その他の多職種同士が顔の見える関係をつくり、情報共有を行う場として同ネットワークを立ち上げたのだ。現在、約60の介護事業所のほかに、行政や社会福祉協議会、地域包括支援センター、医療機関、障害福祉事業所、薬局などが参加している。

さわら南よかとこネットでは、2カ月に一度の定例会において事業所間の連携や「認知症高齢者声かけ訓練」などの地域住民を巻き込んだ取り組みの企画を行っている。行政職員が参加していることで、公民館長や町内会長といった地域の中心となる人物との連携がスムーズに進み、町内放送や回覧板等を使ってイベントの周知もできるようになったという。


地域資源の不足を補う「楠カフェ」を展開

香楠荘では、このネットワークを通じて知り合った小学校区の民生委員の「地域住民がもっと気軽に介護について話し合い、相談できる場がほしい」という意見をきっかけに、2016年6月から「楠カフェ」を開始した。毎月、同施設のデイサービスが休みになる日曜日を利用して開催している。

楠カフェを立ち上げたケアマネジャーの勝本良介氏は次のように話す。「地域住民にとっては介護施設を身近に感じることは難しいと思います。しかし、急に親が倒れるなど、介護は突然必要になります。普段から介護施設とかかわりがあれば、困ったときに気軽に相談でき、早い段階で重度化予防にも取り組めます。楠カフェは日曜日に開催していますので、地域包括支援センターが開いている平日の日中に相談に来れない人に、相談に来てもらうこともできます。楠カフェを通して介護施設を身近に感じていただき、『いつまでも安心して暮らせる地域づくり』につなげたいと考えています」

楠カフェには現在、近隣の高齢者や、同法人の介護サービス利用者が集い、お茶や会話を楽しむほか、子どもたちがデイサービスの遊具で遊んだり、地域のサークルが活動を発表する場としても利用されている。

勝本氏は「この地域の地域資源は十分とは言えませんが、楠カフェやさわら南よかとこネットで築いた地域のネットワーク力を活かし、地域に積極的に働きかけ、『いつまでも安心して暮らせる地域づくり』に取り組みます」と抱負を語る。


●特別養護老人ホーム香楠荘
〒811-1102
福岡市早良区東入部2-16-17
TEL:092-803-2080

(介護ビジョン2018年4月号)

 

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