【NEWS】[社会保障] 財務省が年金支給68歳開始案を提示
財政制度等審議会
2018-04-26
財務省は11日、厚生年金の支給開始年齢を68歳に引き上げる案を財政制度等審議会の財政制度分科会に示した。少子高齢化による年金財政悪化に歯止めをかけるのが狙いで、今後の改革論議に反映させる。ただ国民の反発は避けられず、実現には曲折もありそうだ。

支給開始年齢は60歳から段階的に引き上げられ、男性は2025年、女性は30年までに、65歳となることがすでに決まっている。同省は過去にも年金支給年齢引き上げを訴えてきたが、67~68歳が多い海外事例の紹介にとどめてきた。

分科会に提出した資料で、同省は「人生100年時代」を迎える中、年金財政悪化により、給付水準低下という形で将来世代が重い負担を強いられると指摘した。

さらに、35年以降に団塊ジュニア世代が65歳になることなどを踏まえ、「それまでに支給開始年齢をさらに引き上げていくべきではないか」と主張。開始年齢を68歳と明記した上で、「支給開始年齢の引き上げによる受給水準充実」のイメージ図を提示した。ただ、どの程度充実するかといった数値は盛り込まれていない。来年春にも厚生労働省は5年に1度実施する年金財政検証の結果を示す。これを基に将来の年金制度に関する議論が始まる見通しだ。

財務省は今回の資料について「あくまでも例示であり、特定の年齢を示唆する狙いはない」(主計局)と説明するが、受給開始が遅れる世代からは反発が出そうだ。田近栄治分科会長代理(成城大学特任教授)は記者会見で、同省案に賛成する意見が多かった一方、世代間の不公平感が高まるとして慎重論もあったことを明らかにした。

このほか、同省は分科会に、後期高齢者の医療費の窓口負担引き上げや、経済性を考慮した高度医療技術への公的保険適用などについても検討すべきだとする案を示した。財政審は、分科会の議論を5月にも取りまとめる建議に盛り込む。

〈財政審の社会保障改革のポイント〉
▽厚生年金の支給開始年齢を68歳に引き上げ
▽支給年齢引き上げは2035年までに開始
▽後期高齢者の医療費の窓口負担の引き上げ
▽介護事業者の経営安定に向け、統合や再編を促進
▽高度医療技術は経済性も考慮し、公的保険適用の是非を検討▽医師や診療所などの配置を管理し、地域ごとの偏在を是正

(医療タイムス No.2348)

 

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