「在宅強化型老健」として地域の在宅生活を支える
介護老人保健施設「あいの郷」(埼玉県羽生市)
2018-04-10
介護老人保健施設「あいの郷」は、「在宅強化型老健」として通所・訪問リハビリテーションや訪問介護などのサービスを提供。70人規模の通所リハの実施など、地域の在宅生活を支える拠点となっている。


老健の原点に立ち返り充実したリハビリを提供

埼玉県羽生市の介護老人保健施設「あいの郷」は1997年、羽生総合病院を運営する「埼玉医療生活協同組合」によって設立された。管理者の岡田耕市医師は、「老健が生き残るには、老健本来の目的に立ち返ることが大切です。そのため当施設ではリハビリテーションを最も重要視し、多くの利用者様の在宅復帰をお手伝いしています」と話す。その言葉どおり、同施設では、2015年から在宅強化型老健の算定を取得。羽生総合病院や地域から入所者を多数受け入れる一方、通所・訪問リハビリや訪問介護などのサービスも提供し、地域の在宅生活を支える拠点となっている。

入所者の半数以上は約6カ月で自宅に戻るという。「当施設への入所は、利用者の方との関係の始まりにすぎません。退所後も定期的に自宅を訪問し、リハビリの実施状況のヒアリングを行ったり、必要に応じて泊まってもらうなど、関係は続きます」と、相談部門長の長島大介さんは説明する。

リハビリに注力するという同施設のモットーは、リハビリ室やソフト面にも表れている。定員70人という通所リハビリの規模は市内最大級で、リハビリ職も基準より多く配置している。


在宅復帰へ向けて多職種連携に注力

リハビリをより効果的に行うため、職種の垣根を越えた多職種連携に力を入れている点も、同施設の特徴だ。この取り組みは「利用者様の『自宅に帰りたい』という願いをかなえるため、職員も職種を越えて同じ目標をめざすべき」という、介護士長の荒井優子さんの発案から始まったもの。そのことが在宅強化型老健の土台を支えている。

多職種連携のベースは、月に1回行われる「在宅復帰支援チーム会議」だ。そこでは、リハビリ職や介護職、看護職、施設ケアマネ、相談員などが一堂に集い、「共通の評価方式」で利用者の状態を話し合う。「職員がそれぞれの立場から利用者様本人にとって最も良いケアを探ることで、リハビリ・看護職と介護職の間の壁がなくなり、普段のケアにおいても頻繁に意見を言い合える関係性となりました」と、荒井さんは話す。

また、同会議を重ねることで、介護職の意識も変わり、それが仕事のやりがいにもつながっている。「介護をする際に、在宅を見据えた視点を持つことで、『できることはご自分でやっていただく』『ご自宅の環境を考えた関わり方』などの意識で接することができるようになりました。在宅強化型老健で働く介護職としてのモチベーションも高まっています」と、入所介護部主任の白石学さんは微笑む。

同施設ではさらに、介護職や看護職のキャリアパス制度の充実など、職員が働きやすい職場づくりにも注力する。たとえば、「介護職常勤2~4年目」は、「電話連絡、行事の司会・企画、ケア手順(計画書)の作成・・・」などと、「キャリアステージ」ごとの業務内容を明確化。サービスの品質維持に関する国際的な規格「ISO9001」の認証も取得している。

「介護職は業務が煩雑で、なかなかスキルアップが実感できない部分があります。キャリアパスを“見える化”し、職員がやりがいをもって楽しく働くことが、結果的に利用者様への良いサービスにつながると思います」と荒井さんは話す。



●埼玉医療生活協同組合 介護老人保健施設あいの郷
〒348 - 0043 埼玉県羽生市桑崎196 - 1
TEL:048 - 562 - 3100

(取材・文:山辺健史 / 介護ビジョン2018年2月号)

 

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