「徳丸」という地域を社福を通じてつなげていく
社会福祉法人北野会 特別養護老人ホーム「マイライフ徳丸」
2017-12-07
地域貢献という言葉は、簡単には達成できるものではない。社会福祉法人北野会は東京都板橋区の徳丸地域を軸に、介護・障害・保育の垣根を越え、町会などともつながる新たな地域のあり方に向けた取り組みを行っている。


町会を巻き込み施設を地域になじませる

社会福祉法人北野会特別養護老人ホーム「マイライフ徳丸」(定員78人)は、開設から15年が経過。「開設当初は、高齢者施設に対する地域の反対も少なからずありました」と、同法人の高麗正道施設長は話す。高麗施設長が入職した2011年6月頃から地域との連携を意識した施設づくりに注力し、地元の町会長などを同法人の理事に招聘。自身も町会に参加するほか、町会の会議を施設内で開いてもらうなどして、施設を地域に浸透させる取り組みを行った。

さらに徳丸地域内の全16町会のホームページも高麗施設長が作成することに。防災情報や会議等の地域で集約できる情報をまとめたり、Facebookなどでイベント情報などを配信している。「次世代の町会の担い手を考えると、ウェブでの情報共有が必須」と話し、行政との会議情報などもウェブ上で集約化していこうと試みている。

こうした取り組みの背景には、同法人に地域包括支援センター(包括)が併設されていることがある。「包括が担当する地域の高齢者は7,000人です。すべての人を当法人だけで対応するのは難しく、地域との連携が必須です。その地域で大きな力をもつのが町会ですから、互いに良い関係をつくることが大切だと思っています」

「徳丸」という地域内での情報共有は、行政主導ではできない。その一方で、マンパワーの面から町会がすべてを担うのは難しい。「行政とも町会ともつながりがあり、面で地域を捉えることができるのが社会福祉法人ではないか」と、高麗施設長は社福の強みを地域に見出せると語る。


障害・保育・教育など多様な施設と連携

町会との連携のほかに、近隣の別法人の保育園や障害者通所施設、板橋区社協ら合わせて4法人と「徳丸わくわく祭り」を開催している。現在は徳丸地区を起点に活動しているボランティア団体や、小学校のおやじの会なども出店するなど、まさに「地域ぐるみ」の活動になっている。一事業所だけでの取り組みでは、ここまで大きな祭りにはならないと、高麗施設長は連携の重要性を強調する。こうした活動がきっかけで、障害者通所施設の利用者が同法人の施設内清掃を就労事業として行っているほか、保育園児たちは入居者たちと野菜づくりを行うなど、日常的な交流にもつながっている。

教育現場など新たなつながりづくりも重視しており、毎週、近隣の都立志村学園の介護コミュニケーションコースに通学する、発達障害など軽度の障害を抱える高校生たちが同法人を訪問。月曜日は車いすの清掃、木曜日は手遊びや会話を楽しむ、といった形で利用者らと交流している。

現在、板橋区では社協が中心となり、区内の社福をつなげるプロジェクトが始動しているが、その旗振り役を高麗施設長が担っている。「地域貢献というと難しく考えがちですが、実は周りを見れば同じように貢献したいと考えている事業所が必ずいます。まずはそうした仲間づくりから始めてはどうでしょうか」と高麗施設長は鼓舞する。

●社会福祉法人北野会 特別養護老人ホーム「マイライフ徳丸」
[所在地]東京都板橋区徳丸3-32-28
[TEL]03-3933-0039
[ホームページ]http://kitanokai.com/


(撮影:関口宏紀)

 

twitter

facebook

ページトップへ戻る