地域に必要とされる施設づくりは地域への貢献から始まる
社会福祉法人合掌苑 特別養護老人ホーム「合掌苑 桂寮」(東京都町田市)
2017-11-24
東京都町田市で50年以上にわたって介護事業、障害福祉事業を展開している社会福祉法人合掌苑。「地域福祉支援事務局」を設置するなど、地域とのつながりを重視した取り組みからは学ぶものが多い。


法人内のノウハウや資源を活用して地域貢献

社会福祉法人合掌苑は、もとは東京都中野区にある寺院が母体となっている。1960年に町田市に高齢者施設をつくるために社会福祉法人化し、10の基本ケアをベースにした介護を行っている。

「縁もゆかりもない地に高齢者施設を建てるということで、開設当初から地元・地域のために活動することをめざしたと、先代の理事長から伺っています」と、同法人マネージャーの森田健一さんは説明する。介護や福祉に対して偏見が多かった時代に、地域住民に介護施設の役割やその意義を理解してもらうために取り組んだのが、地域への貢献だったという。地域で活動する団体への施設内の会議室の開放、老人会や子ども会のイベントへの景品の提供などを行っていった。「調理師がホテル勤務していた経験があり、洋菓子づくりも得意としていたので、パンケーキを景品として提供するなど、法人内の資源を活用しました」と森田さん。こうした取り組みを長年行った結果、今では同法人が行う市民向けのセミナーには100人以上の地元住民が参加するなど、地域になくてはならない存在になっている。また、ノウハウを知りたいと、他の介護施設から相談されることもあるという。


施設の中から外へ飛び出し活動する

2014年からは制度によらない独自の地域貢献サービスを進めるため、事業所内に「地域福祉支援事務局」を設置。自治会や老人会、民生委員、同業者、地域のボランティア団体などから寄せられる相談に対し、同事務局が集約し、法人内の人・物・ノウハウなどの資源を活かして対応を検討する仕組みを構築している。昨年度は熊本地震への支援のほかに、地域活動団体への活動支援、地域交流スペースの無料開放など複数の取り組みを行っている。近年力を入れているのが、事業所のアウトリーチ化だ。「地域に開かれた施設といっても、介護施設には一般の人は来にくいものです。それならば、地域に我々が出て行けばいいのではないかと発想を転換しました」

2014年度に開設された金森あんしん相談室は、スーパーマーケットが近くにある道路沿いに設置されており、地域住民が趣味活動や食事会などをする際に無料で利用することができる。同法人が運営する居宅介護支援事業所が隣接されているため、介護の相談などにもスタッフが対応する。

また、2017年5月には南成瀬あんしんサロンもオープン。職員向けの社宅として利用していた戸建てを改装したサロンで、地域住民の活動拠点として活用してもらうことをめざしている。運営にあたっては、5分100円の家事代行で知られる株式会社御用聞きが協力。サロン内の一角を同社の事務所として提供する代わりに、サロンの運営管理や相談業務などを同社のスタッフが行う形をとっている。「介護が必要になってから施設に来るのではなく、施設が外に出ることで早い段階から相談できる体制を整える必要性を感じています。今後も地域に貢献するべく、地域との接点を多くもてる取り組みを行っていきたいです」


●社会福祉法人合掌苑 特別養護老人ホーム「合掌苑 桂寮」
[所在地]東京都町田市金森東3-18-16
[TEL ]042-799-2144
[ホームページ]http://www.gsen.or.jp


(撮影:関口宏紀 / ケアビジョン 2017年9月号)

 

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