セカンドコール体制で24時間365日対応 患者と家族に寄り添うことを最優先
医療法人光輪会さくらクリニック(大阪市北区)
2017-09-21
POINT
(1)セカンドコール体制で医師の負担軽減を図る
当番医によるバックアップ体制があることで、主治医の心身の負担を減らすことにつながる。

(2)先手を打った対応で往診を少なくする
何事も早めの対応で悪くなりそうな芽を摘んでおくことが、土日祝や夜間の急な対応を減らしている。

(3)それぞれの患者と家族に寄り添う診療で安心を提供
在宅医療は病気を治すことよりも、病気をコントロールしながらうまくつき合っていくことが重要という意識を法人全体で共有。


コール体制の整備で医師の負担軽減を図る

在宅療養支援診療所として大阪市北区で2004年に開院した医療法人光輪会は、柳楽知義理事長が院長を務めるさくらクリニックを中心に、関西に5カ所、関東(横浜)に1カ所の診療所で構成されており、法人全体での患者数は2,000人以上、1年間の看取り数は140人に上る。

「在宅医療を展開するには24時間365日対応は当たり前のことですが、実際にはできていないところが少なくありません。電話がつながらない、つながっても断られるケースもあります。それでは患者さんは困るので、当法人ではそういうことは絶対にやめようと、24時間安心してもらえる体制づくりにこだわっています」

ただし、この体制を維持するための医師の確保が容易ではない。柳楽理事長は「医師は募集してもなかなか来てもらえないもの。せっかく良い医師が入ってくれても長続きしないこともあります。夜間や土日に電話がかかってくるので、思っていたより疲れるようです」と、医師の採用と定着が常に悩みの種であるという。

そこで同法人では、セカンドコール体制により医師の負担軽減に取り組んでいる。

これは、緊急の電話にはまず、看護師が24時間体制で待機しているコールセンターで対応し、コールセンターから主治医へ連絡が入り(ファーストコール)、主治医が向かえないときは、セカンドコールの当番医に連絡が入る仕組みだ。

結果的にほぼ主治医で対応できているが、当番医がバックアップしてくれるという安心感が主治医の負担軽減につながっている。また、看護師で判断できることはコールセンターで対応し、医師の仕事を減らすようにしている。

さらに医師自身も負担軽減の工夫をしていると柳楽理事長は話す。

「対応を先送りにすると、夜遅くや土日に患者さんから突然具合が悪くなったという連絡が入ることもあります。早めの対応で悪くなりそうな芽を摘んでおくと往診が減ります」

こうした先手を打つ診療で、医師の負担は軽減できるという。


治す医療から寄り添う医療へ

複数の医師が連携しながら、多くの在宅患者を診ていくうえでは、いかに質を担保するかが重要なテーマになる。これに関して、同法人で働く医師に対しては理念を共有を徹底している。柳楽理事長は、「病院での勤務が長い医師は、病気を治さないといけないという意識が強い。もちろん治すことは大事ですが、高齢者の慢性疾患はそう簡単に治るものではありません。在宅医療では病気をうまくコントロールしながら快適に過ごしていくことが求められるのです」と語る。

また、「病気だけを診るのではなく、本人と家族がどういう思いでいるのか、どんな最期を望んでいるのかを理解し、その人にとって一番よい医療・看護を提供するのが私たちの仕事です。亡くなられたあとに、家族から感謝の言葉をいただくのが、一番の喜びであり、やりがいでもあります」と、在宅医療への思いを話す。

柳楽理事長の今後の展望について、「現在は広いエリアで仕事をしているので、移動に時間がかかり、離れた別の場所にいる患者さんから連絡が入ったときには待たせることにもなります。在宅医療が根づき、地域に密着した形で患者さんを診ることができれば、迅速な対応につながります」と語る。

さらに在宅医療が広がりを見せるなか、患者とその家族が安心して日々の生活を送ることができる医療の実現に向け、その先駆けとして貢献していく姿勢を改めて強調する。

●医療法人光輪会 さくらクリニック
大阪市北区豊崎7-3-6 メゾンドール山中1F
TEL:06-4256-7920
診療内容:在宅医療

 

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