[医薬品] 長期収載品の後発品への置き換えなどで議論まとめ 薬価専門部会
中央社会保険医療協議会 薬価専門部会(第137回 8/9)《厚生労働省》
2017-08-09
中央社会保険医療協議会・薬価専門部会は8月9日、後発医薬品と長期収載品の薬価、新薬創出・適応外薬解消等促進加算(以下、新薬創出等加算)のあり方などについて、まとめの議論を行った。専門委員はこの中で、製薬企業の新薬開発やドラッグラグ解消の取り組みを報告し、画期的新薬の創出を支える制度として、新薬創出等加算の維持を改めて要請した。
 
厚生労働省はこれまでの議論で委員から要求された資料を提出した。長期収載品(後発品のある先発品)と後発品の関係では、最初の後発品の上市から5年経過後も置き換えが進まない長期収載品の薬価を特例的に引き下げる、いわゆるZ2ルールの適用品目の内訳を示した。2016年度薬価改定時のデータによると、長期収載品669成分のうち、Z2対象外品目は230成分(34%)、Z2適用品目の内訳は、置き換え率30%未満:163成分(24%)、置き換え率30~50%:168成分(25%)、置き換え率50~70%:108成分(16%)となっている。保険薬局を対象にした調査では、後発品を積極的に調剤していない、あるいは調剤しにくい医薬品の種類として精神神経用剤、抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤が、剤型では外用剤があがっており、変更に患者が不安を感じる精神科領域や血中濃度をシビアに見る必要がある医薬品で置き換えが進んでいない実態が明らかになった(p13参照)。
 
一方、専門委員は新薬創出等加算について改めて意見陳述した。周辺産業と分業することにより研究開発リスクを分散できる自動車産業と違い、自社単独でリスクを背負わなければならない医薬品産業の特性や(p39参照)、新薬創出等加算適用企業の国内開発費や、ドラッグラグ(海外で承認済みの医薬品が国内で承認され上市されるまでの時間差)の解消に大きく貢献する世界同時開発品目が増加傾向にあることなどを説明(p47~p48参照)。画期的新薬の開発を促進するためにも、新薬創出等加算の維持を改めて訴えた。
 
長期収載品から後発品への置き換えについて、松本純一委員(日本医師会常任理事)は、「後発品を使う側としては供給停止になる不安があると使いづらい。置き換えが進まない原因はその辺りにあるのではないか」と指摘。幸野庄司委員(健康保険組合連合会常任理事)は、新薬創出等加算の財源について「青天井で予算化するのではなく、長期収載品のZ2ルールで作った財源を新薬創出等加算の財源にすることを考えていく必要があるだろう」と述べ、財政中立を念頭に制度設計することを求めた。

 

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