薬剤師業務の広がりと高度化をサポートする、グッドサイクルシステムのスマート薬歴「GooCo(グーコ)」。操作性や自由度の高さが利用している薬剤師からも好評です。今回は埼玉県・川越市にある鈴木薬局新富町店の店長・池田研二さんの、実際の活用の仕方をご紹介します。
決め手はiPad対応。4年前に他社からスイッチ
川越中心街、ショッピングストリートクレアモール沿いに建つビルの3階にある鈴木薬局新富町店(以下、鈴木薬局)。いわゆる路面店ではなく、知る人ぞ知るといったような趣の場所にあります。
薬局をオープンしたのは、今から8年前。同じフロアの「ひろせクリニック」からの要望があり、クリニックの開業とほぼ同時期に営業をスタートしました。「ひろせクリニック」は内科、消化器内科、糖尿病内科、乳腺外科、外科、在宅までをカバーする、地域の方々が頼りにするかかりつけ医院です。鈴木薬局は、その「ひろせクリニック」の処方箋を中心に対応しています。薬は常時1500種類ほど。薬局の利用者は、高齢者が中心です。
鈴木薬局の店長を務めるのは池田研二さん。8年間前の立ち上げから参画し、情報システム担当も兼任しています。「GooCo」を導入したのは約4年前のこと。それまで使っていた薬歴システムから切り替えを行いました。
池田さん「以前使っていた薬歴システムはレセコンを開いていると入力できず、使い勝手がよくありませんでした。そこで薬歴システムの切り替えを提案し、全社投票で『 GooCo』の採用が決まりました。 iPadに対応でき、薬剤師にひとり 1台端末を用意できること、またレセコンとのシステムの連携を柔軟にできるところが採用の決め手でしたね」
トラブルなく切り替え作業を終え、また現場の池田さんも同僚の薬剤師も、「GooCo」での薬歴記入にすぐに慣れることができたそう。薬歴残業が減り、在宅訪問先でもiPadで薬歴を見ながら業務を進めることができ、業務効率化につながりました。
池田さん「『 GooCo』は、薬局内だけでなく、在宅や施設訪問先にも持ち運びができて便利です。服薬指導に関する履歴や添付文書の参照や、必要に応じてインターネットに接続して、調べものができるのもありがたいですね。訪問対応のちょっとした合間に薬歴の記録をしたり、薬剤師によっては音声入力などを実践したりしているという話も聞きます」
課題は多忙な薬剤師の業務効率化
鈴木薬局はビルの3階と認知されにくい場所にあるため、在宅や施設など、薬局外での活動に積極的に取り組んできました。その活動が実を結び、多くの人に利用してもらえる薬局に育っています。
池田さん「開業当初はなかなか患者さんに薬局の存在を気づいてもらえませんでした。そこで自分たちから積極的にお声かけし、在宅や施設訪問先を増やしてきました。ありがたいことに、年々利用してくださる方々が増え、薬剤師ひとりあたりが対応する処方箋の枚数も増えています」
変化はそれだけではありません。鈴木薬局では、調剤中心から健康相談や服薬指導といった、患者さんとのコミュニケーションベースの業務に薬剤師の仕事がシフトしつつあると言います。
そうやって患者さんとの対面業務が増えている中、課題となっているのが事務的な業務の効率化です。
池田さん「高齢の患者さんが増えていることもあり、飲み残しの数量や保管状況をチェックする残薬整理や、ハイリスク薬の指導が以前と比べて増えています。こうした対応はまとまった時間が必要となりますので、その分、ほかの業務の短縮が必要です。
薬剤師が担う業務が広がって業務量そのものが増えている中で、 ITをうまく活用して効率化を図り、患者さんとのコミュニケーションになるべく時間をとれるようにしたいと考えています」
「GooCo」は指導文マスタの登録など、薬歴記入が省力化できる機能を備えています。ショートカットなどニーズにあわせたカスタマイズをして、多忙な薬剤師の業務をサポートします。
池田さん「 GooCoはあらかじめ指導文のマスタ登録をして、いつでも参照ができます。鈴木薬局ではハイリスク薬や乳幼児加算の対象となるケースについて、事前に教育担当者の指導文を登録しておき、それを参考に文書作成することで、薬歴作成にかかる時間の短縮をしています。
新卒など年次の浅いスタッフもマスタ登録を参考に勉強できますし、お薬の指導に関するコンテンツが充実しているので助かります」
ITを積極導入する理由は?
鈴木薬局では「GooCo」以外にも、診療報酬明細書を作成するレセコン、処方箋の予約受け取りや服用指導のオンラインシステム、また電子お薬手帳などを取り入れています。その理由は、こうしたITの導入が、前述したような業務の効率化だけでなく、薬の適正使用の推進や薬局の利用満足度向上にもつながると考えているからです。
池田さん「処方箋の予約受け取りシステムは、処方箋の写真を撮って薬局に送るだけで、調剤時間を待たずに、薬の受け渡しができます。窓口での声かけを中心にサービスの周知をしている状況ですが、定着率が高く、使った患者さんから好評です。
薬局側も、調剤の時間に余裕が持つことができて双方にメリットがあると感じています。『ひろせクリニック』の処方箋だけでなく、そのほかの処方箋もこちらに持ってきてもらえることは、厚労省が推奨する薬情報の一元管理化の促進にもなると考えています」
実際の運用には至ってないものの、オンラインの服薬指導システムの導入も完了しました。現時点で、オンライン服薬指導は加算対象に認められていませんが、制度が開始されてからの対応では遅いと、着々と準備を進めています。
池田さん「患者さんとインターネット回線を使ってテレビ電話ができるシステムです。鈴木薬局には管理栄養士も在籍しています。患者さんに食事の写真を撮って送ってもらい、それをもとに管理栄養士が食事指導などをするといったようなことが、ゆくゆくはできればいいなと考えています」
一方、電子お薬手帳は導入してはいるものの、普及に至っていないといいます。
池田さん「薬歴と電子お薬手帳はそれぞれ個別の運用となっており、薬剤師側の使い勝手があまりよくないという課題もあります。連携がちゃんとできるようになれば、電子お薬手帳の活用シーンも広がるとは思うのですが」
高齢化が進む川越で地域医療の支えに
鈴木薬局のある川越は、高齢化が今後一気に加速する地域です。それによって増える医療的ケアのニーズにどう応えていくのか、人員の確保や薬剤師スキルの向上など今から対策が必要です。さらに病気や薬のことを相談してもらえるよう、患者さんと薬局との関係性づくりが欠かせないと池田さんは言います。
池田さん「いつも鈴木薬局を利用している患者さんが、大学病院の処方箋をお持ちになったことがありました。在庫のない抗がん剤で、調べてみたら 1錠あたりの価格が 2万円と高額でした。
お薬は返品できないので、高額なお薬の仕入れは薬局側にもリスクがあります。そのため薬局によっては、取り扱いのない薬について対応しないケースもあると言います。
池田さん「そのときは薬局側の事情もあらかじめ患者さんに了承いただき、無事にお薬をお渡しすることができました。こうした対応ができるのは日ごろから信頼関係のある地域密着型の薬局ならではだと思いますし、それこそがかかりつけ薬局の存在意義だと思います」
地域医療の連携が求められる中、信頼関係が必要なのは患者さんだけではありません。患者さんを取り巻いている医師や看護師、ケアマネージャーやペルパーなど専門家との情報共有や連携がますます重要になってきています。
池田さん「たとえば、飲みきらなかった薬がある場合に『次回から処方を見直してもらえませんか』などと、医療機関に対してフィードバックする『服薬情報提供』というものがあります。
このように、薬剤師が患者さんと病院などの間にたって情報をやりとりする機会は今後もっと増えてくると思います。在宅支援では、ヘルパーさんや訪問看護師さんなどへ報告も欠かせません。 GooCoには、現状でも在宅の計画書や報告書の作成機能もありますが、関係各所との連携の実情を踏まえて、機能の見直しやサポートをしてもらえると助かります」
求められる役割の変化に対応し、患者さんを支えるために。鈴木薬局と、薬局を支援するグッドサイクルシステムの取り組みは続きます。
グッドサイクルシステムの「薬局業務の効率化」や「サービスの向上」を図る製品サービス
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