東京・江古田の「たむら薬局」では“地域の医療・健康ステーション”を目指し、処方箋調剤はもちろん、OTC薬の販売、健康相談、在宅訪問などを行っています。
患者一人ひとりのニーズにきめ細やかに対応する。
そのために導入しているのが、グッドサイクルシステムの薬局支援システムです。その導入事例をご紹介します。
江古田の地域に密着した薬局経営 縁をつないで4店舗へ
「たむら薬局」は、西武池袋線 江古田駅を中心に4店舗を経営しています。代表を務めるのは、薬剤師の田村憲胤(のりつぐ)先生。田村先生は、生まれも育ちも江古田です。
駅の北口商店街にある栄町店をオープンしたのは15年ほど前。田村先生が子どもの頃からかかりつけにしていた薬局の方に、お店を手伝って欲しいと言われたのがきっかけでした。
田村先生 「ドラッグストアで薬剤師として働いていた時に、偶然お声掛けしてもらったのがきっかけでした。その方の薬局では、処方箋調剤だけでなくて、地元の人たちが処方箋なしに気軽に相談しに行ける場所になっていたんです。まさに“顔の見える”薬局でした。
『これこそ私の目指している薬局の姿だ』と思い、2年間の修行を経て2005年4月に1店舗目の栄町店を引き継ぎ、経営を始めました」
「たむら薬局」は栄町店の開局以来、旭丘店、豊玉上店、小竹町店と店舗数を拡大してきました。しかし、それは必ずしも自分からのアクションではなく、地元・江古田での交流によるご縁の結果として、店舗数が増えていったのだと言います。
2017年9月に開局した小竹町店もそのひとつ。田村先生が学校薬剤師の活動をしている時に知り合った地元の開業医の要望で、お店を出すことを決めました。
田村先生 「小竹町で内科を開業している先生から、『小竹町は住宅エリアで薬局がなく商店街の方まで歩かないといけなくて、高齢者の方が困っているから薬局を出してもらえないか』と相談されたのがきっかけです。小竹町から駅前の商店街までの間には坂道があって、足腰の悪いおじいちゃん、おばあちゃんにとっては一苦労なんですね。それならば、と少しずつ準備をして、2年前に開業することができました」
生まれ育った地元の江古田に恩返しがしたい、薬剤師としてできることで貢献したいという情熱から仕事に取り組んでいる田村先生。「たむら薬局」4店舗の運営をしながら商店街の会長など地域での活動も並行して行う、多忙な日々を過ごしています。
目指したのは“顔の見える薬局”
開業からこれまで変わらず「たむら薬局」が掲げるのは、健康や介護の不安を感じた時に地域で最初に相談できる場所となることです。
しかし、地元の方々のさまざまなリクエストにきめ細やかに応えるには、日々の業務の効率化が欠かせません。そこで「機械ができることは機械に任せよう」と、田村先生は最新システムを積極的に取り入れています。
そのひとつが、グッドサイクルシステムのスマート薬歴システム「GooCo(グーコ)」です。「GooCo」は紙のような一覧性と、簡単に入力できる操作性を兼ね備えています。パソコンだけでなくiPadでも運用ができ、いつでもどこでも薬歴の入力や、患者さんへの説明資料などを閲覧することもできます。
田村先生 「最初に『GooCo』を導入した栄町店は店舗面積13坪と手狭で、パソコンを置くスペースがありませんでした。その点『GooCo』はiPadで運用できるのが魅力的でした。
それまで紙の薬歴やポストイットにメモして、一包化や粉砕といった個々の患者さんへの対応を申し送りしていました。でも『GooCo』では画像ひとつで申し送りができるので、手間も省けるようになりました。また、患者さんとのコミュニケーションの中で薬歴を入力できるようにもなっているので、薬歴を記録するための残業も減りました」
2019年現在「たむら薬局」では、すべての店舗に「GooCo」を導入し、スタッフひとりに1台iPadを支給しています。若手から、手計算で調剤をしていたベテランスタッフまで、「GooCo」を使いこなして薬歴業務を行っていると言います。
田村先生 「iPadは持ち運びやすく、薬局内でも自分から患者さんのところまで行って説明ができ、在宅訪問にも対応できて便利です。その場で薬歴だけでなく添付文書を調べられ、入力もすぐできるので、スタッフにも喜んでもらっていますよ」
栄町店と旭丘店の2店舗については薬歴のデータを共有して、ほかの店舗での患者さんの情報もリアルタイムで把握できるようにしています。店舗間で患者情報の共有ができれば、薬の併用のチェックや、より細やかなフォローが可能です。
薬歴業務を「GooCo」でスマートに
小竹町店では前述の「GooCo」に加え、グッドサイクルシステムの調剤レセコン「サキレセ!」の導入も始めました。以前は別のレセコンシステムを使っていましたが、「GooCo」に合わせて切り替えたのです。
田村先生 「『サキレセ!』を導入して良かったのは、請求の間違いが減ったことです。以前、使っていたシステムでは簡単に入力ができる一方で、本来できないこともできる仕様になっていました。
その点グッドサイクルシステムの『サキレセ!』は、できないことはシステム的にできないように設計されています。慣れるのに時間が少しかかりましたが、今はミスを最小限にした業務を遂行できるようになっています」
バックエンドの改善だけでなく、対面業務の充実にも力を入れています。「たむら薬局」が取り扱っているOTC薬や日用品は約500品目。近隣の高齢者が必要なものを近所の薬局で購入できるようにと、ティッシュペーパーやおむつなども置いています。また、地域医療マップをつくり、地域の状況に合わせた医療情報の提供も行っています。
田村先生 「調剤だけはなくて、患者さんとのお話の中で『どうしてそうした症状が出ているのか』『食事や生活習慣などから改善できることはないのか』といったことを聞き出し、アドバイスをします。生活習慣の改善には、OTC薬が貢献できる部分もありますし、受診勧奨をしたりしています。地域の状況を知り尽くした医療機関の情報を提供できるのもわれわれの武器です。たむら薬局を単に薬をもらう場所ではなくて、健康をもらえる場所にしていきたいんです」
また、処方箋調剤でも対応できないことがないように心掛けていると言います。
田村先生 「『たむら薬局』では4店舗で月あたり、平均約300医療機関からの処方箋を応需しています。必然的に取り扱う薬の品目も増えますが、在庫管理シスムを導入して4店舗間の在庫状況を共有できるようにしました」
万が一、どこかの店舗で在庫切れの薬が出てしまった場合でも、スムーズにほかの店舗から薬を取り寄せる体制を整えています。
薬をもらうだけでなく、健康をもらえる場所にしていきたい
さまざまな最新システムの導入は、患者さんやマネジメントだけでなく、実務面での効率化にも一役買っています。多店舗を運営している場合は、特定の店舗だけでなく、ほかの店舗の応援に入るケースもあります。
そういう時、同じシステムを使って業務を遂行できるのがポイントだと田村先生は説明します。
田村先生 「新しく入ってきたスタッフにはまず、『GooCo』と『サキレセ!』が入った店舗で業務に慣れてもらうようにしています。そこで慣れれば、ほかの店舗に行ってもやり方が一緒なので、スムーズに業務に就けます。
このようにシステムを統一することで、多店舗で経営を行っている場合は業務のやり方も統一できて、スタッフは余計なことを覚える手間が減るといったメリットもあります」
「たむら薬局」はシステムの運用を重ねて、ゆくゆくはすべての店舗の薬歴データをクラウドで一元管理できるように準備を進めています。これにより、江古田周辺の人達はたむら薬局であればどの店舗を利用しても処方箋のお薬をもらえたり、OTC薬を購入したりできるようになるそうです。また将来的には、電子お薬手帳との連動も視野に入れています。
田村先生 「薬局が地域の健康に役立てることはまだまだたくさんあると思っています。グッドサイクルシステムの『GooCoPos』からOTC薬の販売情報を、『GooCo』に飛ばして薬歴で一元管理をしたり、さらにはその情報がお客様の電子手帳に反映されたりと、そんな使い方ができればと思っています。またセキュリティ面の担保をしながら、4店舗の情報すべてをクラウドにして患者さんの情報を一元で管理できれば、どこのお店でも同じようにお薬を出すのはもちろん、プラスアルファの情報提供ができるようになります。患者さんとの関係性をより充実させられると期待しているんです」
栄町店を開局して15年。愛する地元江古田の4店舗をフル活用して、地域と医療をつなぐハブとなる薬局づくりを目指す田村先生。そして、「GooCo」「サキレセ!」といった薬局支援システムを通じて「たむら薬局」を支援するグッドサイクルシステムの挑戦は続きます。
グッドサイクルシステムの「薬局業務の効率化」や「サービスの向上」を図る製品サービス
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