Communication/コミュニケーション

薬剤師力向上特集

慢性疾患のアドヒアランス向上を目指した服薬指導と薬局・薬剤師のこれからの役割 3

堀 美智子(ほり みちこ)

医薬情報研究所 株式会社エス・アイ・シー取締役/医薬情報部門責任者
薬剤師。名城大学薬学部薬学科卒業・同薬学専攻科修了。名城大学薬学部医薬情報室、帝京大学薬学部医薬情報室勤務を経て、1998年に医薬情報研究所 株式会社エス・アイ・シー設立に参加。1998~2002年日本薬剤師会常務理事。八王子にアンテナショップとして開設した公園前薬局を運営しながら、各種データベースの構築や執筆活動に携わっている。『知らないと怖いクスリと食品の危険な関係!』(マガジンハウス)、『プライマリ・ケアに活かす薬局トリアージ』(じほう)、『薬剤師の読む枕草子』(アルタ出版)など著書多数。


これからの薬局の在り方

 

「健康日本21(第二次)」では、2020年に向け、高血圧の改善目標値が設定されております(図表4)。「栄養・食生活」「身体活動・運動」「飲酒」「降圧薬の服用率」の要素を改善した場合の目標値は、収縮期血圧で4mmHgの低下と設定されています。これに加え、「脂質異常症」「喫煙」「糖尿病」の危険因子において、それぞれ図表に掲げてある改善目標を達成した場合、脳血管疾患が減少し、年齢調整死亡率が男性で15.7%、女性は8.3%減るという試算目標をはじき出しています。

 

 ここで大切なのは、アドヒアランス向上のためには、いま述べた生活習慣の改善などの要素を説明しながら、薬を飲む大切さを患者さんに伝えていくということです。塩分摂取についての注意を促すときも、通り一遍の説明ではなく、食べるのを控えたほうがいい食品の写真を撮って掲示したり現物を置く。そうしたことが健康情報拠点としてのこれからの薬局の在り方といえます。

 

マイナンバー制と薬局

 医療分野におけるマイナンバー制ですが、これが実現すれば、患者が自分の検査データをどこでも見られるようになっていきます。そして、そのマイナンバー制の中に「薬物代謝酵素の遺伝子多型」の情報が絡んでくると、この人にこの薬を処方すると副作用が出やすい、というようなことが自動的に分かるようになるはずです。そうなったとき、薬物代謝酵素の遺伝子検査の鍵を握るのは薬局であってほしいと私は強く願っています。

 

 これからの医療は、地域の多職種連携によって支える時代になっていきます。地域包括ケアシステムの計画に、薬局・薬剤師がどう関わっていくべきか、しっかり見定めながら行動していくことが必要です。

 

※この記事は、2014年7月27日に開かれた〈第14回 薬剤師力向上セミナー〉(弊社主催)の内容をもとに構成したものです。

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