Communication/コミュニケーション

薬剤師力向上特集

2014年診療報酬改定で在宅医療はこう変わる!3

~薬剤師との連携が成功のカギだ!

中村 哲生(なかむら てつお)

医療法人社団南星会 湘南なぎさ診療所 事務長
1965年東京都生まれ。医療コンサルタント。専門は在宅医療。株式会社コミュニティーチェスト代表取締役。設立からわずか2年半で在宅医療患者数が1,000人を超えた湘南なぎさ診療の事務長として、在宅医療経営のオピニオンリーダー的存在。


改定で促進される在宅復帰

 今回の診療報酬改定の狙いは、「医療から介護へ」「施設から在宅へ」という流れをつくることにあるといえます。医療提供体制の改革で在宅復帰を促す誘導策であることは、「【入院】現在の一般病棟入院基本料等の病床数」という厚生労働省の資料を見ても明らかです。2025年に向けた医療機能の再編の方向性が示されています。(図表5)

 

 7対1病床を減らすため、在宅復帰率75%以上という新基準も課せられます。従って重症の患者さんがこれからどんどん地域に帰ってくるようになります。こうした流れに対応できるよう、いかにして医療機関が変われるかが問われています。

 

在宅看取りを増やす方向へ

 重症患者さんが地域に帰ってくると、「看取り」をどうするかということが問題になります。

 

 2010年7月時点で、全国の在支診は1万2487の届出数となっています。うち1年間で1人以上看取りをしたのは約半数の5833しかありません。在宅療養支援病院(以下、在支病)で見ると全国に331あり、うち1人以上看取りをしたのは半数以下の130でした。厚生労働省は、数年前から一貫して看取数を増やす施策を示しています。

 

 現在わが国では年間約120万人の方が亡くなっています。うち約89万人が病院です。救急車で搬送され、病院で亡くなる瞬間までの2日間くらいで、医療費は100万~200万円くらいかかります。単純に死亡者数で掛け算しますと、1兆円以上の費用になってしまいます。

 

 また、2006年の厚生労働省資料「今後における看取り場所の推移」によると、2030年には死亡者数が165万人になると推計されており、厚生労働省はこのうち76万人を病院以外の場所で看取らせる考えで、医療費がかさむ病院で亡くなる89万人は、これ以上増やさないという数字目標となっています。
 この76万人を現在の全国約1万3000軒の在支診と在支病の数で割返すと、1箇所当たり年間60人くらい看取らないと達成できません。

 

 今回、機能強化型の在支診と在支病の設置基準の看取りの実績要件が引き上げられ、「年間4件以上」になりましたが、今後も改定のたびに増加し、20件、30件という時代になると予想することができます。

 

 なお機能強化型の場合、在宅医療担当医師「常勤3人以上」、緊急往診実績「年間10件以上」の要件があり、複数の医療機関が連携して要件を満たしてもいいのですが、緊急往診4件以上、看取り2件以上は単独で満たさないといけません。しかし、日頃からターミナルケアや往診をしっかりやっていれば点数が取れるような仕組みに変わったとみるべきでしょう。

 

進む24時間体制づくり

 訪問看護サービス利用者数の増加に伴い、厚生労働省は今回、訪問看護ステーションの大規模化を促すため、常勤看護師7人以上、24時間対応体制などの条件を満たす「機能強化型訪問看護ステーション」を評価する方針を打ち出しています。算定要件として、訪問看護ターミナルケア療養費またはターミナルケア加算の算定数が年に合計20回以上などなっていますが、重症の患者さんがどんどん地域に帰ってくる9月以降になれば、容易に達成可能な数値であるとみています。

 

 一方、薬局の24時間調剤についていえば、今後の在宅医療診療所の24時間体制づくりの一環として、連携・推進の方向ですから、薬局、薬剤師さんも地域の在宅医療を支える担い手となっていくということの布石でもあると思います。

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