Communication/コミュニケーション

薬剤師力向上特集

2014年診療報酬改定で在宅医療はこう変わる!1

~薬剤師との連携が成功のカギだ!

中村 哲生(なかむら てつお)

医療法人社団南星会 湘南なぎさ診療所 事務長
1965年東京都生まれ。医療コンサルタント。専門は在宅医療。株式会社コミュニティーチェスト代表取締役。設立からわずか2年半で在宅医療患者数が1,000人を超えた湘南なぎさ診療の事務長として、在宅医療経営のオピニオンリーダー的存在。

在宅医療は外来通院医療、入院医療に次ぐ「第三の医療」とも言われ、高齢化が進むなか、在宅医療への期待が急速に高まっている。
在宅医療推進に向け、今回の診療報酬改定によって、医師や薬剤師に求められる役割や機能はどうなっていくのだろうか?
在宅医療経営の第一人者、湘南なぎさ診療所の中村哲生先生にレクチャーしていただいた。


集患の決め手となる数字

 神奈川県藤沢市にある医療法人社団南星会湘南なぎさ診療所は、現在2箇所の診療所に51人の医師がおり、各科の専門医を配置しています。

「多科の医師による診療」で重症患者に対応できる在宅療養診療所(以下、在支診)にしようというのが、当診療所の特徴であり目標です。

 

 藤沢市は人口が約41万人の都市で、2011年10月1日時点での65歳以上の人口は8万3300人となっています。このうち在宅医療の対象になると思われる「要介護3、4、5」の方は4310人いらっしゃいます。藤沢市には在支診が実態ベースで20施設あり、在宅医療の主たる対象者の要介護3以上の方は1診療所当たり215人となります。(図表1、2)

 

 実はこの「200」という数字が大事で、200より少ないと集患が難しく、200を超えていると集患しやすいという事実があります。例えば東京都千代田区における介護度3、4、5の方の人数は792人で、在宅療養支援診療所の数が15軒ですので、この計算ですと1診療所当たりの割り当て数は52.8で200という数字からは程遠い数字になります。

 

連携の必要性を数字で示す

 現在、2つの診療所の患者数を合わせると3000人くらいになります。内訳は一般在宅患者数が約500人、施設在宅患者数が約2500人。ちなみに、現在年間180人くらいの患者さんを看取っています。

 

 2009年の当院から病院へ入院した患者数は196人です。逆に病院から在宅医療へと復帰した患者数は191人でした。

 

 以前神奈川県病院協会から講演依頼があり、この数字をお示ししたところ、後日病院の方から連携のお話がありました。

 

 その後は、例えば、在宅で寝たきりの患者さんのMRI検査の場合、以前は病院外来受診→検査→結果と、3回病院へ行かなければならなかったのが、連携後は当診療所から病院へ検査予約できるようになり、患者さんは予約日に病院へ行ってあまり待たずに検査し、戻ってきたら結果が分かるという流れになり、3回が1回で済むようになりました。

 

在宅は口コミで成り立つ

 当診療所は2007年5月開業ですが、その年の9月から、ほぼ毎月1人ずつ医師の数を増やしてきました。最初は皮膚科の先生にきていただきました。ある施設からの求めに応じる形で、皮膚科の先生に月1回施設に行っていただくようにしたところ、快癒した患者さんの口コミで月を追うごとに受診者が増えました。

 

 実は、在宅医療は、100%口コミで成り立っています。医師1人しかいなかった当診療所が、皮膚科に限らず、あらゆる科の医師を擁するまでになれたのも、利益分を医師確保に充て、少しずつ在宅医療を進めてきた結果であると思っています。

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